ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

空洞化という認識


産業が空洞化するように
行動も空洞化する


野生動物は
欲しいものや
避けたいものと
直接向き合っている
仮に
直接向き合わずとも
間を埋めてゆくものが
そうたくさんあるわけでもなく
複雑でもない


社会が繁栄して
大きなシステムの中にあって
文化的人間は
欲しいものを
システムを介して接しているところがある


さまざまな
システムに組み込まれた複雑な関係をかいくぐり
欲しいものを手繰り寄せているのだ


だから
手繰り寄せる糸の先に
欲しいものがついているのかは
システムのその時の状況の影響を受けることになる


そして
糸の先に欲しいものがついていると
システムが信頼感を増してゆく


逆に
努力が報われないと
システムへの信頼感が減退する


このように
信頼感の総和として
システムは
縮小したり
拡張してゆく


信頼できるシステムがどんどん拡張し
国外にも広がってゆく状況のなかで
国外を無視して国内だけで考えると
システムの完結性が欠如する
という認識に至ることになることになる
そして
この欠如の認識が大きくなると
空洞化という表現がされることになる



私にも小さな所有地がある
この縄張りとも言える範囲の中で
野生動物は完結性をもって生活しているのだろう


私は
この縄張りの中に
閉じ込められていては
生活できない


欲しいものは
この縄張りの外にある
縄張りの外に広がるシステムのなかにある


この狭義の縄張りの中に限定して思考するれば
私の生活は立派に空洞化している


外部に
沢山の依存すべき存在を抱えれば抱えるほど
内部の空洞化が進むのだろう


ーーーーー
メモ


言語システムは
外部との関連を断ち切ると
その断ち切る範囲に応じて
空洞化する


システム間の関連性が
遮断されあるいは安定していないと
「それじゃない。あれをもってこい」
というようなことが頻発して
言語システムの信頼性が欠けてしまう


同じ言葉を聞き
同じ物質を指向し
あるいは
同じ現象を指向する


このような訓練を積み
言語システム内の
部分としての信頼を重ね
このような部分の集合としての
システムの信頼をあげてゆく


このような信頼のつながり全体で
完結性が維持される


このような信頼のつながりを断ち切り
私が一人になった時
様々な社会システムは空洞化して
私は
自然の中に放り出されることになる


やみくもに
社会を信じ信頼する必要があるのだろう
その信じる心で
システムの恩恵に与っている


信じる者は救われる


自然の恩恵
社会の恩恵


さまざまに恩恵への傾倒が
信頼される人間像を希求する原動力となり
社会を秩序立てている


逆に言えば
恩恵との関連が希薄になると
システムは空洞化することになり
システムは崩壊の途に就くことになる


この辺りの事情が
厳然たる事実からできた思想より
恩恵をもたらす思想が好まれる所以であろう


恩恵はあたたかい
冷たい思想より
暖かい思想が好まれる


好ましいを事実にしてゆく努力
その事実に信頼感を醸し出す努力
さまざまな努力が
それぞれの人智であろう


たとえ虚構であっても
信頼があれば
システムが動き出す

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