無為自然な道
雲は
右から左に流れることもあり
左から右に流れてゆくこともある
川の水は
いつだって
上から下へ流れている
水の自由は
限られているらしい
護岸が囲まれた
限られた空間のなかに収まりながら
水が流れてゆく
護岸を超える洪水は
迷惑千万だ
囲まれた空間に収まりながら
上から下へと
水が流れる
無為自然な道を
水が流れる
きっと
自由に流れる浮雲を
仰ぎ見ながら流れているのだろう
*
理性が経験を積みながら
社会に隷属を重ねて来た
社会の護岸を超えぬよう
理性が意識を支配してきた
自由の象徴たる空を眺めながら
守られら護岸の中を歩いている