遺伝子プールという概念的存在がある

モンシロチョウなら
モンシロチョウの遺伝子プールがあり
モンシロチョウの個体の遺伝子は
このプールの中の一部を形成しているということになる

モンシロチョウの遺伝子プールは
禁煙種であるスジグロシロチョウの遺伝子プールとは隔離され
その独自性が確保されている

遺伝子プール内では
生殖により
遺伝子の交流があり
その中で標準が醸成されるので
交流のない他の遺伝子プールとは
異なる標準が醸成される

このような標準により
モンシロチョウの羽の模様は
スジグロシロチョウのそれとは異なる特徴を維持している

遺伝子プールの中で醸成される普遍性が
生物種の特徴となっているのだ

このような普遍性を追求することが
種の保存であり
結果的に
この普遍性の維持が
生きることの意味となっている

鳥たちが
それぞれの鳴き声を呼応させているのも
遺伝子プールを維持するための
合言葉であるらしい

他と区別しながら交流することを仕向けながら
概念的存在が
個物の存在を維持し続けているようだ

だからなのだろういか
誰がどこの所属にあるのかが気にかかる

部分は全体を志向するよう仕立てられており
仕立てられてはじめて全体が機能している

この構造の中で
個物は自由を模索しつつも
全体に奉仕するようにできているのだから
とてもけなげな存在ということになる