言葉と意識:イカロスの翼
時間が存在するということは
変わりゆくということであり
万物が流転しながら
同じではなくなってゆく
そのなかで
意識は動きながらも
同じことを繰り返す
食事
睡眠
日々のルーティン
意識にも循環があり
その中心に
地球の公転における太陽のような存在がある様な気がしてくる
その中心は
意識の深部に在り
思考を秩序付けている何かである
その何かの周囲を回っているのだけれど
いくら思考を巡らせても
その中心にはいきつかない
そこへ行きつくには
きっと
太陽にたどり着こうとして
翼を燃やし墜落してしまった
伝説に描かれたイカロスを超えなければならないのだろう
地球も
太陽に触れるには
その循環をやめなければなりますまい
大気中の水分は
それに昇り
雨となり落ちる
そしてまた空に還る循環を繰り返している
時間の中で
同じことを繰り返す循環
きっと
私の意識の循環が
私を同じに維持しているのだろう
私はその中心なのだろうか
それとも
周辺をまわっているのだろうか
お天気のように
私の気分も循環している
それぞれが私であり
あの時の私とは違う私である
しかし
同じ私である
循環の中の百面相が
私を作り
そのどれもが私ではない
総和が私である
いや
よくわからない
どう表現しても
言葉は循環し
元に戻りながら
また違うものへと移ろいで行く
水分が
地球の外に出られぬように
私も
意識の循環の外には出ずに
なんだか
だいたい
この辺りに居るのだろう
出ようとすると
イカロスのように
思索の翼が燃え尽きてしまうのである