無限ループ:美しき正義の名のもとに
恋の始まりは
相手を想い
相手に尽くすことから始まる
やがて
尽くすことへの見返りを求めるようになり
その見返りが得られないことに
不満が募るようになる
すると
尽くすことを躊躇するようになり
尽くすことと
その見返りが
共に
縮小してゆく
縮小しながらも
尽くすこととその見返りが
バランスの中で循環していると
恋の無限ループは維持されるが
見返りへの欲求が高まり
それが攻撃性へと変質してゆくと
恋の無限ループのなかに
敵対する関係が忍び込み
争いの無限ループも始まることになる
喧嘩するほど仲が良い
恋の無限ループと
争いの無限ループの共進化が始まったのである
ひとつの無限ループが
人と人の関係を維持し始めると
そこから
別の無限ループが派生してくるのである
それが積み重なると
関係性は強化されてゆき
破壊的な何かを跳ね返すループが出来上がる
さて
恋には
別れ話がつきものである
尽くすことの見返りを求めすぎる関係は
内部崩壊の危機に直面することになる
尽くすことと
尽くされることの定量化が客観的にできれば
このような内部崩壊は避けることもできようが
その定量化が
個人の記憶や感情によりなされるから
他人がどうこう言っても始まらないところがある
それでも
世間は
「こうあるべきである」
「理想はこうである」などと
人のあるべき道を示したがる
そうした規範に乗っかって
「私は正しくて
あいつが悪い」という自己保身を主張する
こうして
それぞれが
自分に都合の良い正義を持ち出して争い合うので
様々な正義が
別の正義と代理戦争をさせれる羽目に合う
こうした争いの中で
それぞれの正義はそれぞれの無限ループを描き続ける