ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

四原因説 + 二原因


秩序は
変わろうとする力と
変わらずにいようとする力の
均衡の上に成り立つ動的構造だ


このような可塑的構造が存続していると
秩序として認知される


秩序は
四原因説で語られるように
質料因、形相因、作用因、目的因を記載することで
理解が深まる


動物の行動の総体として成立する
社会構造のように
より動的な秩序については
動物行動学の父ティンバ―ゲン博士の
「四つの質問」と表される
行動の「メカニズム」「発達」「機能」「進化」を
記載してゆくことで理解が深まる


「メカニズム」は、
質料因、形相因、作用因が混じったもので
どんな筋肉や神経により行動が実践されているかについて
「発達」は、
個体発生過程でどのようにその行動が発達するかについて
「機能」は、
目的因に含有されるような
その行動により何が達成できるのかについて
「進化」は、
どのような環境からの淘汰圧から
「機能」が発達してきたかについての記載だ


アリストテレスが
ダーウィンの進化論や
ティンバーゲンの行動学に親しんでいたならば 
四原因説でなく六原因説となり
質料因、形相因、作用因、目的因に加え
発達因、(自然)選択因が五個目、六個目の原因として
挙げられたかもしれません


五個目、六個目の原因は
作用因にくらべ
長いスパンでの時間経過にかかわるものである
個体の歴史、種の歴史
そんな比較的長い時間経過については
アリストテレスの時代には
あまり大きな興味の対象ではなかったのかもしれません


身近に
もっと興味深い不可思議なものが
たくさん溢れていたのでしょう


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メモ


構造主義は観察的で
過去からの経緯を無視しがちなところがある


そこを補てんするのが
歴史的経過だ


生物学で言ったら
個体発生学のような
個体の歴史
進化論のような
生命史の視点だ


歴史は
現存しない存在であるがゆえに
厳密さを求める領域から排除したくなるが
歴史のない現存物ってあるの?
という現実が
厳密さを欠く歴史の情報に目を向けさせる


このような目が
過去をめぐる様々な観察を可能にし
科学をより歴史的な深みのある存在へと
発達させてきた


構造の遷移が歴史だ


歴史には
現存の秩序に対する
肯定も否定も混在する


人間の存在意義についても
肯定し否定するのが
歴史である


現在に過去は存在しないから
確知しようもない
しかし
過去が存在なければ現在の秩序は存在しないのならば
過去を確知しようと努力し続けなければ
現在の秩序を
無批判に受け入れることしか
できなくなるのだろう

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