ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

今あるということ


 「浜までは海女の蓑着る時雨かな」


これから海に入ってずぶ濡れになるのに
時雨でちょっと濡れるのを嫌がって
蓑を着て浜まで行く海女の姿を謳った
江戸中期の俳人、滝瓢水の俳句だ


合理的な理性や
きままな感情
様々な思いをはせることができる17文字だ


無駄に蓑を着るのか
わけあって蓑を着るのか
この疑問を外延すると
生きていることの無駄や価値にも行きつける


わたしが
たった今
新聞紙を丸めてつぶした蠅の歩んできた軌跡は
無駄だったのか
無駄ではなかったのか
その小さな亡骸を
ゴミ箱に落としながら考える


一茶に怒られそうだ
「やれ打つな蠅が手をすり足をする」


ーーーーー 
メモ


続けられるうちは続けてゆく


続けたいと思う間
続けていれば幸せだ


春に
すぐ溶けてしまう雪が降りつづける


桜が咲いても
まだ冬を続けたいこともあるらしい


続けているものから
今ができている


続けていないものからは
できていないのだ


今あるということ・・・
そのことにおもさがあり
     うごきがある

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