ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

ミイラ展


国立科学博物館で
ミイラ展が開催されている


昨日見てきた
すごい数の人だった


「永遠の命」を求めて
という副題がついていた


ミイラの永遠は
命ではなくて
物質なのだろう
このように斜め目線で見ても
「永遠の命」を求めてる気持ちを共有できる


命への思いや祈りは
普遍性が高い心情だ


ミイラの同一性は物質性にあり
それを眺め集まっている人々の同一性は
物質性にない


物質が絶えず入れ替わる生きている人々が
もはや物質を入れ替えることを無くしたミイラの周りを
所狭しと徘徊している


死と向き合うことは
生きることを考える場であるのだろう


テセウスの船という話がある


30年少しづつ部品を交換しながら維持してきた船は
元のセテウスの船と同一と考えられるか?


交換され外された部品が保管されており
これらの部品を30年後に組み立ててできた船は
元のセテウスの船と同一と考えられるか?


少し違うのだけれど
細胞分裂は
セテウスの船の話をある意味で再現している


あらゆる生命たちの繁殖もそうである


部品を交換しながら身体を維持し
しかも自分と同じものを殖やしてゆく


生きているということは
自分を交換することを基本としている
外部から自分以外の存在を取り込み
自分のような自分以外の自分を再現してゆく


自分独りで
すべてを維持ができるようになるのは
ミイラになってからということなのだろう

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