技術の進歩に伴う当たり前の進歩
5億4千年前の太古の海で
様々な奇妙な動物が生きていた
この動物たちが
今の世に蘇らせても
おそらく生き抜いてはいけないだろう
五感を持ち
そこから得られる情報に応じて
行動に変換する技術は
5億4千年の間に
随分と進歩した
技術の進歩についていけなかった生き物は
絶滅し
新たな技術を持つ生物たちに置き換えられてきた
技術を使いこなすことで
生きる資格を得る
日進月歩する技術の中で
誰もが右往左往を繰り返す
もう十分じゃないか
そう思っていたとしても
否が応にも
新しい技術にさらされる
5億4千年前の太古の海に生きていた
カンブリア時代の生き物たちも
当時最新鋭の技術を身にまとい生きていた
彼らにしてみれば
今の生き物は
姑息ですばしっこくやたらと忙しい生き物なのだろう
彼らは彼らなりに
忙しく俊敏に生きていたのには違いがないのだろうけれど
今に生きる者から見れば
きっとのんびりと怠惰に生きていた
生きる資格というものがあるとすれば
結果からついてくるのものだ
あらかじめ
与えてもらえるものでは毛頭ない
だから
進化してきた
状況に応じて身に着ける技術が
結果として
生きる資格となるのだろう
生きるということは
忙しくせわしないものらしい
生は苦
理性的にはそうなのだろうけれど
直感的には生は尊い見つけものだ