意思が届かぬ流転に戸惑う
あるものしかないし
あるだけしかない
増やせれば
増やした分だけ増え
増えられれば
増えた分だけ増える
そして
減らせれば
減らした分だけ減ってゆく
増えても減っても
あるものしかないし
あるだけしかない
頭の中にも
あるものしかないし
あるだけしかない
そのあるものが
あってへ行ったりこっちへ来たり
思うように動いたり
思いとは逆のほうへと動いたりしている
思わはなければ始まらない
しかし
思い始めても
思いがけず動いてしまうものがたくさんあって
なかなか思いは届かない
挙句の果てに
あるものでは満足できず
ないものを探し始めている
ないものを探すには
考えている主体以外に思考の向く先を伸ばすことになる
思考の外に向かって思考する
だからなおさらに
考えてばかりいても
なかなかもいは届かない