未来を夢見ることができる
現在を認識できる
過去を思い出すことができる

過去と未来には違いもあるが
現実との対比においては
過去も未来も
五感の認識対象ではなく
空想的な対象だ

過去は記憶や記録から再築され
未来は希望や経験から創作される
空想の出来事だ

このような空想が
現在の五感による認識にまとわりつきながら
時間が進行してゆく

人間には
過去や未来へ触角を伸ばす能力が
備わっているらしい

動物が
五感を鍛えながら進化してきた
その延長線上で
人間は
この過去や未来への触角の精度を高めることにより
よりより未来を築こうと日夜努力を重ねてきた

よりよい未来への欲望が
日夜努力を重ねさせている
そしてより大きな努力を強いられる未来を作り出す

進歩するということは
努力を膨らませてゆくスパイラルの中にある

過去の努力の集積を
未来に生かすスパイラルの中にある

どんな小さな生き物も
このスパイラルの中にある

努力を重ね生きる推進力を維持しているのだ
努力を怠り
推進力が失われたとき
どこかにあえなく落ちてゆくのだ

過去の努力が
現在の推進力となり
未来へと進んでゆく

過去の記憶と
未来への観念
その調和を
現在が見据え続けている