非日常への憧憬
歓楽街には
非日常がある
非日常は
日常ではないから
憧れる
日常にしてしまったら
もったいない
だから
少し遠くにおいておく
*
何の変哲もない日常の一部分が
コロナ騒ぎで消失した
その部分に費やされていた
時間と費用が
私の下に戻ってきた
*
堕落するということも
日常の遷移なのだろう
成長するということも
日常の遷移なのだろう
私の意識は
いまどこいらに向かっているだろう
日常か
まだ見ぬ非日常か
*
超えてはならない境界線が
日常と狂気を分けている
意識は
いとも簡単に
その境界を飛び越えてゆく
肉体は
日常に置いてけぼりだ
意識が抜けた肉体は
どこか物悲しい
意識も
肉体と離れていては
それだけで
いたたまれなくなるのか
ふたたび
日常へと戻ってくる
日常へと戻ってくる