ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

角が取れた言葉たち


人間に生まれた


だから
言葉を覚え
言葉を信じなければならない、、、らしい


目に映っている風景が
本物であると信じるように
言葉が意味していることを
本物であると信じなければならないらしい


でも注意が必要だ


幻を見ることがあるように
言葉が意味することにも
幻があるようだ


幻か
幻ではないのか


これを判断する審美眼が試される


審美眼は
まず
焦点があっているかいないかを審査する


ぼやけた焦点では
何を見ているのかよくわからない
だから
ぼんやりした言葉を排除しなければ
きちんと審美できない


そこで
言葉から
ぼんやりした意味を排除して
鋭い意味を持つように鍛えるのだけれど
言葉の基本は
「あれ」「これ」「それ」というように
言葉以外の世界を指し示すことにあるらしく
指し示すものが存在しないと
鋭い意味を持たせても
すぐに角が取れ
ぼんやりとした意味に成り下がる


結局
ピンぼけで
何があるのかよくわからない視界の中で
意味しているものを
自分で想像してしまう
だから
議論がかみ合わない


そこで
言葉が描く世界のピンボケを
矯正してくれる眼鏡を登場させることになる
そして
この眼鏡を駆使する専門家が
それぞれに違った審美眼を披露する


ただ困ったことに
かける眼鏡が違うと
それぞれに違う世界が広がるから
論点の違いは一層際立ち
もっともっと
議論はかみ合わなくなってゆく


たとえ
議論はかみ合わず
違う審美眼を持っていても
顔についている目は
同じような景色を眺めているのだから
言葉を二の次にして
同じ景色を楽しむのが
とても賢いということになりそうだけど
なかなかそこまで議論が進まずに
かみ合わないところに議論が反転するから
議論は尽きない


やはり
言葉は
風景の中にあるのが美しい


あれ
これ
それが躍動できなければ
どうも合点がいかない


そんな風景に依存した
角の取れた言葉に親しみを感じる


景色から離れた研ぎ澄まされた言葉は
どこかイガイガしているのだけれど
それが良いという人もいるから
人間は面白い

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