ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

友愛のテーブルの下の隠れ家


夢は
実践できていない構想だ


キング牧師には夢があった
かつて奴隷と呼ばれた人々の子孫と
かつて奴隷の所有者であった人々の子孫が
友愛のテーブルで食事をするという夢だ


マルクスにも夢があったと言えるのだろうか?
かつて労働者と呼ばれた人々の子孫と
かつて資本家と呼ばれた人々の子孫が
友愛のテーブルで食事をするという夢だ


フランス革命を先導した人々には
どんな夢があったろうか?
かつて領民と呼ばれた人々の子孫と
かつて王族と呼ばれた人々の子孫が
友愛のテーブルで食事をする夢であったろうか?


恵まれている人と
恵まれていない人が入れ替わると
物語が生まれる
友愛に包まれる物語である場合もあれば
敵対の関係を改革してゆく場合もある


ロールズの「正義論」は
そんな入れ替えの物語が
互いに許容可能な範囲であることを
社会に求めている


入れ替わることは不可能であっても
社会的身分が異なる人々の間に
忍耐しうる友愛のテーブルが
たくさんたくさん用意されていれば
社会の調和は向上し
秩序を恒久的なものに近づけられる
そんな考えだ


インターネットで連なる世界に
敵対より友愛を望みたいものである


情報技術の進展で
社会を育む土壌は
今、大きく広く開かれた
野性的で野心的な領域が
パイオニアにより整備され
これからますます豊かな土壌として
開拓されてゆくのだろう


この分野でも
先住者と後続者の間で
様々な物語を描いてゆくのだろう


友愛のテーブルで
物語を描いていただきたいものである


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メモ


人間の系譜
社会の系譜
宗教の系譜
国家の系譜
様々な系譜が
それぞれの太さで
未来を模索している


友愛や調和は
系譜を太くし
敵対や排除は
系譜を分断し乱すことになる


太い立派な系譜にも
細いしなやかな系譜にも
それぞれの善し悪しがある



それぞれの系譜が
それぞれの善し悪しを活かしながら
大きな友愛のテーブルの系譜に
交流の窓をひらけてゆければ
大きくて太い系譜が息づくだろう


何も役に立たない国際法であったとしても
あるだけで価値がある
やがて
この系譜も太く立派なものになる潜在があるからだ


今日のためだけに
目の前のためだけに生きている人々と
国際法を語る余裕のある人々も
緩やかに連なって
友愛のテーブルで向かい合っている
そのことに
大きな意味の種がある



技術の進展で
地球が狭くなってきた


それにともない
社会から逃れる場所が希少なものとなってきた
言い換えると
個人が過去から逃れることを
社会が許さない状況が生れてきた
その時
社会からの排除は
より深刻な意味を持つことになる


完全な排除ではなく
ロールズがいうような
最低限の配慮をしながらの
ゆるやかな区別にとどめなければ
狭く不便ではあるものの
隠れ家での居心地の良さを
確保できなくなるのであろう


振り返れば小さな失敗であっても
穴に入って
しばらく隠れていたいことがある


逃げ道がどこかにあると救われる


友愛のテーブルの下に
隠れ家は確保されているのだろうか?


見て見ぬふりをする
許してあげる
そんな隠れ家を用意する余裕も
友愛のひとつである


程度の問題は、、、あるのだろうが

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