蛇を見ると
そこから逃げたくなる

「蛇は怖い」という文字や知識が頭によぎる前に
そこから逃げたくなる

虎が威嚇の声をあげこちらを見ていても
同じように
そこから逃げたくなる

知識として「虎は怖い」と知っている以前の問題で
感覚的に危険を察知する

このように
教わることなく備わった反応により
人間も
他の動物と同じように生をつないでいる

赤ちゃんは
言葉を理解しないうちに
四つ這いでハイハイをするし
やがて立ち上がり
歩けるようになる

人間を持続してゆく力は
人間の中にあらかじめ備わっている力を発揮する力だ

目があるように
耳があるように
口があるように
感覚があり
知覚があり
意識があり
思考がある

これらの備わった技術に乗っかり
人間が生を持続している

命を維持する力は
命の中に宿っている

しかしながら
このような備わった技術ばかりでは
物足りないのか
人間は
科学技術をもどんどん増やし
文字を基盤とした知識として蓄積し続けている

循環する秩序の円環を維持する為には
たくさんの技術を必要とする

たくさんの技術があればあるほど
円環を持続する可能性を高めることになる

ただ
技術にはコストもかかるし
新しいリスクも生じてくる

コストやリスクのかかりすぎる技術は
持続を難しくすることもある

SDGｓは
その実践の中で
このようなバランスを模索し続けてゆくのだろう

ただ
まずは気持ちからだ

守りたいものを守ろうとする気持ちがないと
何も始まらない