ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

予定と実践:運命の赤い糸


結ばれる運命にあるものは
目には見えない赤い糸で結ばれていて
時機が来ると出会い
結ばれることになるという


予定されていた出会いが
実践されるということだ


これは何も恋人同士のこととは限らない


蛾のオスとメスも
出会うよう予定されている


具体的には
メスが放出するフェロモンが
オスの触覚で感知され
フェロモンの源の方向へと
オスが飛行し
メスとオスが出会うという仕組みがある


フェロモンという物質と
フェロモンの受容体という物質も
出会い結合することが予定され
それが実現することが
オスとメスの出会いを誘導する仕組みの
一構成要素となっている


血糖降下ホルモンである
インシュリンも
インシュリンレセプターと
出会い
結合する
運命の赤い糸で結ばれている


このような運命の出会いは
数千万年の時間をかけて
そのつながりを確固たるものにしてきた
もしかしたら
一億年以上の年月が費やされているのかもしれない


運命の赤い糸は
時間をかけながら
より強いつながりへと進化してきた


最初は細い糸だったのだろう
つながるか
つながらないか
多分に偶然が入り込むような
細い糸だったのかもしれない


それが
より確実に出会い結ばれる
より確実な運命を背負うようなシステムへと進化してきた


インスリンも
インスリンレセプターも
互いに
より強固に引き合うような形状へと
進化し
より安定して
その形状を保持できるような環境が整備されて来た


恋人たちも
偶然の出会いから始まり
より高頻度で出会う仕組みを
互いに形成し
より強い絆を形成してゆく


赤い糸は
目に見えぬまま
太く固く強くなってゆくのだ


予定が実践され
その繰り返しの中で
赤い糸は
より太く
より固く
より強く結ばれてゆく


このような赤い糸が
いくつも併存し
それぞれのつながりを強固にしながら束になり
システムとして組織され
一つの存続単位を形成してきた


インスリンと
インスリンレセプターのつながりは
他の生体反応と共にあり
そのつながりがシステムの因果律として機能する


恋人同士のつながりも
その関係ばかりではか弱いものなのだろう


様々な社会生活との兼ね合いの中で
そのつながりはより強固なものとなり
いつしか
恋人同士の関係が薄れても
そのつながりを切ろうとしても
切れないものへと変遷し
末永くつながりを維持できるものになるのだろう

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