予定と実践:水面の波はどんぐりの背比べ
水面には
山や谷の様の起伏がない
あるのは
山や谷に比べ小さな波の起伏のみである
湖の水面も
水たまりの水面も
海の水面も
波はあるものの
巨視的には平たくできている
山や谷を形成する固体の性質と
湖や海を形成する液体の性質の相違が
その表面の起伏と平面の違いとなって現れている
固体には
下の方へ流れてゆきにくい性質があり
液体には
下の方へと流れゆく性質がある
こうした性質が
来たる時間における存在様式を予定することになる
傾斜のある樋に水を流すと
傾斜の上の方から下の方へと水は流れるが
樋に土を落とすと
樋は詰まってしまうかもしれない
人間にも
易き方へと流れる性質があるが
人により
その性向の強さに濃淡がある
固体の様な粘り強さもなければ
高い山は築けまい
実に多くの人々が安き方へと誘導されてゆく
そして
流れ着いた先で
皆同じかをして平らに並ぶのである