予定と実践:反応の束が維持する規律ある実践
記録された過去が
未来において再現される
記録の方式と
再現の方式が規律されることで
たとえば
録音された音楽が
未来において再現される
記録された音源が
現在においても
未来においても
同一物として存在し
この存在が
過去の音として保存されるのである
過去の音が今存在する
音源は
過去であり
現在であり
そして再現される未来でもある
この音源の
経時的同一性は
記録の方式と
際限の方式の規律により生じている
規律されたことを繰り返す能力が
過去と現在と未来を同じ存在の中に
詰め込んでいるのである
「トイレ」という言葉も
記憶される方式と
発語される方式の規律により
維持されている
人間も
様々な規律により維持されている
動きとしての規律が厳守され
細胞が活動し
私は過去においても
現在においても
そして未来においても
私でいるのだろう
私の脇に居る猫にも
規律があり
私を取り囲む社会にも
規律がある
そしてこの規律たちを維持すべく
私や猫や社会が
規律維持に
有用な実践を繰り返すような仕組みとして
存在している
私や猫の規律維持のための仕組みの一部として
DNAがあり
社会の規律維持のための仕組みの一部として
言語がある
そして
これらを取り巻く反応の束が
規律を保持し続けている
この反応の束が規律する範囲の中で
過去が現在となり未来となっている
過去の景色が全てが記録されるのではない
見ている風景の全てを記憶できるわけではない
記憶に残ろ部分と記憶に残らない部分がありながら
記憶が現在となり未来へと連なってゆく
この記憶に残らない過去は
淘汰された過去となり
時間の流れの中で消えてゆくのである
生命の進化は
時間の流れの中で
掬い取られ
記録され続けて来た規律あるいは経時的同一性の歴史である