トリプルワールド64
環境を整備したり
環境に適応したりするためには
環境を知覚できなければならない
環境を知覚するためには
自分と自分以外を区別しなければならない
*
ホヤをはじめ多くの海洋生物の受精は
一斉に海に放出された卵子と精子の出会いから始まる
だから
同じ個体から放出された
卵子と精子も
出会うことにはなるのだが
受精しないようにできている
このような自家受精の忌避には
自己と非自己を認識する技術が貢献している
単細胞である
卵子、精子にも
自己ー非自己を認識する能力が備わっているということだ
*
免疫系の細胞は
ウイルスや細菌といった非自己を攻撃し
自己を攻撃しない
同じ種類の動物でも
他者の細胞を移植すると
移植された細胞は非自己として認識され
免疫系の細胞に排除される
*
世界には
非自己を排除することにより
世界の循環を維持する機能がある
車を運転していると
日々たくさんの車とすれ違う
同じルールを律義に守り合い
交通事故が起こらないように
車を運転し合っている
ルールを守らないものは
排除され
交通の安全が確保されている
ルールを守るものは自己であり
守らないものは非自己であり
ルールを守れない非自己が
道路に蔓延すれば
交通の世界の信頼が崩壊する
道路にシカやイノシシやクマが
四六時中行き交っていると
不便な道路になる
*
環境を整備してゆくと
世界が創られる
初め緩やかな規制でしかない世界が
その規制の有用性に応じて
大きくなったり小さくなったりする
環境では
様々な世界が創られ消滅している
環境は
そんな多彩な世界が混在した空間だ
こんな混沌とした世界の中で
様々な生命が
それぞれの独自性を維持しながら
生き延びている
*
世界は
技術に支えられた存在で
技術が途絶えれば
消滅してゆきそうな存在だ
様々な技術がある
拳銃も
平和の唄も技術の一翼だ
環境の整備が必要だ