ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

トリプルワールド71


酵素は存在である
Be動詞のように
反応前と反応後を紡いでゆく



化学反応を触媒する酵素は
基質を選択し
その基質に化学的変化をもたらす


様々な物質が混在する中で
酵素は
特定の物質を選択し
特定の反応をもたらす


従って
酵素に選択されない物質は
酵素による化学反応を受けることなく
気ままに存在し続ける


言い方を変えると
  酵素に選択される基質となる物質は
  酵素の存在により
  必然的な因果律に晒されるのに対して
  このように自由に存在している物質は
  偶然に支配される世界を漂う
ということになる


このような因果律を与える酵素の種類が増え
基質となる物質の種類が増えてゆくと
酵素群により
因果律を与えられる物質が増えてゆき
酵素群の周辺の必然的因果律が支配する比率が
高まってゆく


このような
反応の増加による因果律の必然化は
知識が増加してゆけば
未来を予想する確度が高まることと相似する
技術が増加してゆけば
特定の未来をもたらす確率を上げられることと相似する


知識も
技術も
過去と未来を結ぶベクトルであり
反応だ


現象の循環の中で
このような反応の種類が増えてゆくほどに
必然が偶然を凌駕して
サードワールドは
セカンドワールドへと昇華してゆく


世界の主体たるセカンドワールドは
偶然がはびこるファーストワールドと
必然が芽生え始めたサードワールドに囲まれた
必然性の高い世界である



酵素反応の前と後で
エネルギーレベルは変わらない
原子の質も数も変わらない
ただ
組み合わせが変わる


形質の変化だ


Be動詞の右と左も
同じ存在を
意味の形質で変化させている


現象は形質の変化だ

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