感情というものは
結果と原因が入り混じっているようなところがある

一般的に
生きるために好ましい状況を得ると
良い感情が湧き上がり
生きるために好ましくない状況に遭遇すると
悪い感情にさいなまれる

だから
良い感情に囲まれるように工夫を凝らすと
生きやすくなり
死んでしまう危険性を減らせるようにできている

良い感情を追い求め
努力を重ねても
その感情に届かない時もあるけれど
たとえその感情を得られなくても
生存のための努力を重ねることになる

そして
努力している間に
時間が流れてゆく

そして振り返る

あの時の感情をもう一度味わいたいと思い
努力を重ねるとき
過去の感情が原因とあり
それを未来の結果にしようと努力を重ね
過去と未来が連なりあい
生きてゆく時間が醸成されてゆく

生命にとって時間は
ただ流れるだけのものでなく
連ねてゆく対象だ

工夫しながら過去を踏襲してゆく

この踏襲の中で
予定された結果その原因を
時間の中で結い上げ続けているのだ

原因と結果がほぐれずに
たえず循環するように
幾重にも
互恵的に
原因と結果を結い上げながら
大きなシステムを
未来に伝える

筋肉がなぜ収縮するのかを知らなくても
手を動かすことができるように
感情がなぜ生まれるのかを知らなくても
感情に流されることも
感情を求めることもできる

未知の世界の中で結い上げられた
原因と結果のなかで
私は未来に命を運び続けようと
動かし
動かされ続けているのだろう