再現競争:悪の帝国と正義の味方
戦争がはじまり
敵と味方が分かれる
そうなると
敵のちょっとした悪を見逃さない
逆に
味方のちょっとした悪は大目に見る
善悪の基準はあっても
その運用が
敵か味方かで大きく変わる
このような運用で
殺人も
良い行いになってしまったりする
敵の良いところには耳を貸さない
味方の悪いところも見て見ぬふりをする
これが争いを
より大きく激しいものへと成長させてゆく
扇動を引き起こすのは
指導者ばかりではない
民衆こそ
扇動の再現システムの中心であると
心得なければならないだろう
扇動を否定するのではない
誰もが何時だって
扇動の中にいる
言葉を話すということは
そういうことだ
言葉は扇動を伴う
扇動のない言葉は言葉の存在意義が希薄なだけだ