ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

触媒と必然:自由と秩序の戯れ


言葉と人間は相互に触媒し
影響し合っている


発音や文字といった
物理的現象により
他者との間でも言葉を交わせるが
自己の意識の中で
他者から遊離された
独我論的独善世界で展開される妄想においても
文字が登場し
あらぬ享楽を体験している


夢の中で
私に対する誹謗中傷がこだますることもある


たとえ夢であっても
褒められれば嬉しいし
貶されれば悲しい


このように
言葉には
感情を動かす触媒作用がある


感情ばかりではなく
軍隊の号令のように
一糸乱れぬ動きを誘導することもできる


ある意味
人間は言葉に支配されている


むろん
人間が言葉を操作するのであるが
言葉により人間が操作されなければ
人間は今ほどに言葉を大切にしてきただろうか?


言葉に
人間を動かす触媒作用があるので
この触媒作用を高めようと
懸命に努力して
言葉に
より強力な触媒作用を付加してきた歴史が
人類にはあるのではなかろうか


こうした歴史の中で
人類は次第に言葉に飼いならされ
言葉に従順な生き物に進化してきた


その結果
人類たるもの
言葉を操らねばならない
言葉に従順でなければならない
そんな義務感を
心の中に持ち合わせるようになってきた


馬の耳に念仏


そうなれれば
言葉から解放され
自由な心を手に入れられるのだろう


なまじ
時分には言葉を理解する能力がある
などという邪心があるので
念仏を聴き
時分から自由をそぎ取っているのだ


これが
言葉と共進化をしてきた生き物の
必然なのだろう


言葉と戯れながら
自由をかき混ぜるのだ


哲学は
独我論的独善世界で展開される
自由と秩序の戯れでもあるのだろう


確固たる形而上が現れれば
そこで思考の役割も終焉し
人間の役割も終わるのだろう


妄想と現実を
分離しながら意識が動いている


この分離をする境界が不明確になると
私は我を失いそうだ


この稜線のような境界線の上を
私は
時に強風に曝されながらも
なんとかバランスを取りながら歩き続ける

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