関係している世界の数が増えると
その関係性を維持するための
知識や技術が増えてゆく

このような知識と技術の拡張には
エネルギーと能力が要求される

そこで
関係する世界を絞り
そこにエネルギーを注ぎ込むことになる

人間は
素では
空を飛ばないし
水の中に長く潜ることもない

このように
空の世界や
水の世界との関係性を放棄して
陸の世界に絞り関係を深め生きてきた

紫外線や赤外線も感じることはできないし
超音波も聞こえない

親しんでいる言葉しかしゃべれないし
親しんでいる作法しか知らずにいる

人間は
世界を選別して関係を結んでいる

この選別を広げれば
世界は拡張するし
逆に
この選別を絞れば
世界は縮小する

関係形成のために
エネルギーが注ぎ込まれると世界が拡張し
エネルギーが注がれないと世界は縮小する
ということになる

人間の世界は
エネルギーをたくさん得て成立している

世界が成立し続けるには
エネルギーを消費し続けなければならないから
人間の背丈が人間の背丈になっている

猫に憧れるのは
巨人に憧れず
猫の背丈のままで生きているからなのだろう

人間は巨人に憧れて
大きく育とうと努力を重ね
世界を拡張し続ける

人間は
とてもバブルーな生き物だ

弾けるまで膨らんでゆくのだろう