ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

トリプルワールド86


宝塚歌劇団の公演は華やかだ


競い合い
鍛え上げ
助け合い
舞台が成立している


一つ一つの世界が鍛え上げられ
大きな世界へと統合されてゆく


ひとりひとりの人が
それぞれの世界を持ち
集まり
それぞれの世界とは独立した
大きな世界を築いているのだ


この大きな世界の中で
トップスターが輝いている


我が家という小さな世界のトップスターは
ペットの猫なのかもしれない


小さな世界でも
大きな世界でも
どんな世界でも
トップでいることは容易なことではない


しかし
大きな世界に比べれば
小さな世界でトップでいることの方が
はるかに楽であろう


私一人の小さな世界では
わたしがトップだ


お山の大将だ


私はこのお山が大好きだ


だからトップを嗜好すると
排他的になるのだろう


そして
このお山が私を裏切り
私をトップの座から引きずり下ろしたら
私はこのお山を憎むのだろう


新しくトップの座に座るものを嫉妬すらするのだろう


世界のトップを目指し
世界を独占し
小さな世界に引き込もる


片や
大きな世界では
トップでいないことをが当たり前で
それを許容できなければ
その世界に入れない


小さな世界で
自分を拡げ
大きな世界で
自分を抑え
人間は忙しい精神と共に生きている


宝塚歌劇団の舞台は
トップスターだけでは成立しない


私が独占する
私の身体という小さな世界も
私だけでは成立してはいない


私が支配しえない何かに常に依存している


私は
私のものとはいいがたい私の構成要素と
共存してゆかねばならぬのだろう


手や足があって
感覚があり
私という世界が成立している


目が見えるという神秘
手が動くという神秘に
感謝しかない

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