ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

恒常的状態:同一性を創る枠


言葉は
役に立ったり
楽しかったり
悲しかったりする


顔と同じように
様々な表情を
日々
言葉からくみ取っている


音楽にも
様々な表情がある


お料理にも
様々な表情がある


人が違えば
大きく印象が違ってくるように
言葉も
音楽も
お料理も
それぞれに固有の表情がある


それでいて
同じ人でも様々な表情があるように
言葉も
音楽も
お料理も
同じものであっても
様々に微妙な違いを見せてくれる


これとは逆に
違う人でも
同じ表情や同じ印象をみせてくれることがある
そして
違う言葉や
違う音楽や
違うお料理でも
同じ表情を見せてくれたりする


同じであるということには
何か枠のようなものがあり
その中に当てはまると
同じという印象を持つようだ


このような
印象を汲み取る世界には
大小さまざまな枠組みがあり
大きな枠の中に
小さな枠があったり
枠同士が重なり合って
複雑な枠組みの相互関係が出来上がっている


このようなたくさんの枠を全部取り払うと
無の境地に至り
オオカミも子猫の区別もつかず
理屈としては
自と他の区別もできなくなる


すると
危険や享楽も区別できず
自らの恒常を維持しようとする機能が不全に陥り
命を運ぶことさえも困難に直面するのだろう


逆に言えば
生きるということのために
ある枠に魅かれ
別の枠を忌避しながら
枠に振り回されながら
自らの恒常性の枠を維持しているということになる


自分を自分の枠に収めるために
枠を認識し
枠から外れないようにして
生きながらえて来た


これからも
人間の枠や
自分の枠を一生懸命保持しようとしてゆくだろう


いつもの枠に収まるのだ


安心だ
けれど
つまらない


つまらないけれど
とても安心ないつもの枠に収まろうと
努力を続ける


運命という義務の中で
木々の葉や
言葉たちも
自らに自らの枠を保持して輝いている


ハエやカも同じだ


憎まれても
嫌われても
好かれても
賞賛されても
そんなことはお構いなしで
運命という義務の中で
秩序が枠の渦を描いている

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