ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

恒常的状態:中心が創るうたかたの夢


失うとその存在意義を思い知らされる


指や
手や
足を失えば
困ってしまう


健康はかけがいのないものだ


宴会や
演劇や
演奏会も
このコロナ禍で遠ざかり
その存在意義をひしひしと感じるようになった


緊急事態宣言で
渋滞が緩和された道路も
どこか寂しい


嫌だ嫌だと思っていた
車の渋滞や
思うように歩けない人混みも
失えば
その存在意義があるような心持ちになってしまう
たぶん
進歩ではなく
後退を感じてしまうからなのだろう


活力が下がった


社会の健康が損なわれた


都市機能の弱体化した


様々な表現が可能だろう


群衆の崩壊ということも言えるのかもしれない


ウイルスによる
人間関係の分断は
集団を駆逐し
個人を再び尊重すべき存在として
際立たせてくれるだろうか?


それとも
ウイルスを駆逐して
より強固な集団への賛美への入り口となるのだろうか?


いずれにせよ
人間が集まるところに
疫病も集まるのだから
疫病が流行れば
群衆化は妨げられる


人だけを支配しても
都市機能は維持できない


人が集まる環境があってこその都市機能だ


大自然の辺縁に人間がいて
その傍らに都市があることを
コロナは教えてくれている


それでも
都市の中心は自然ではなく都市であり続け
人類の中心には人類が居座り
私の中心に私が陣取り
何かを失えば
それを必死に埋め合わせ
都市機能が維持できるように努力し続けてゆく


そんな努力の甲斐あって
都市中心主義が存在している


様々な中心が
それぞれの自己中心主義を掲げて
それぞれのために
それぞれの
それぞれによる恒常的状態を維持している


恒常的状態は
それぞれが中心が生み出すうたかたの夢にすぎない


けれど
それがとても尊くありがたい存在だ


だからなのだろう
中心主義の渦の中に巻き込まれていると
そこから抜け出せなくなってしまう


私も例外ではなく
私は私の中心主義の渦の中で
うたかたの夢を息づいている

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