予定と実践:形而上と形而下の循環
理想的な言葉で飾られた世界は
理想的である
現実的な言葉でつづられた世界は
現実的である
法律で規定された世界は
形式的である
理想的な世界も
現実的な世界も
形式的な世界も
空間を持つ世界ではない
空間を持つ世界は
一人でも存在する
しかし
理想的な世界も
現実的な世界も
形式的な世界も
一人では成立しない
一人では存在しないところに
ただの言葉からできているにもかかわらず
思うに任せないところがある
言葉を巡らせたり
言葉をただ発しただけでは
世界は維持されない
言葉が人々の間を巡り歩き
人々の意識に世界を導かなければ
世界は維持されないのである
言葉の世界は
空間のない予定の世界である
空間のない記憶の世界である
言葉がなければ維持されない世界である
言葉の形而上の元
意識の形而上の元
形而下として
言葉が彩る様々な世界が息づいている
そして
その世界が意識を動かし
意識が形而下に置かれる
形而上が形而下となり
形而下が形而上となり
循環しているのである