予定と実践:思考は相対主義の中に漂う
主体は
周囲との相対において成立している
ヨットは
風が変われば
進む方向が変わってゆく
そのため
ゆきたい方向に進むためには
風を読み
進むべき進路をとるための方策をとらなければならない
こうした
周囲との相対において成立している秩序において
周囲の状況を把握することは
秩序維持のために必要性が高い
動物が
目や耳や嗅覚を発達させてきた背景には
こうした相対に置かれている事情があるからである
目や耳や臭覚がなくても
思考はできようが
見るものがなく
聞こえるものもなく
匂うものがない世界で
何を考えるのだろう
思考は
感覚との相対の中で成立しているところがある
感情との相対の中で成立しているところがある
幸せの感じ方が変われば
思考も変わってゆくだろう
痛みの感じ方が変われば
やはり
思考も変わってゆくだろう
思考も周囲との相対の中に在る
内臓の様子が変わり
体調が変われば
思考も変わってゆくのである
この不安定な思考の足場が
思考を不安にさせるので
思考は
絶対的な足場を模索し
そのようなに見える足場に
安堵を覚える
こうした性向が
地動説を拒み
天動説を好んだ背景にあるのだろう
相対に目を瞑る
そこに安泰の世界が広がるのである