具象と抽象:具象の私と抽象の私
具象の私と
抽象の私には差異がある
この差異に
喜んだり
自己嫌悪に陥ったりする
私は
具象の私と抽象の私を
見比べているのである
*
出来ないと思っていたことが出来るようになると
自分の壁を一つ越えたことになる
抽象の私を
具象の私が超えたのである
逆に
「こうすべきである」という抽象的私がいるにもかかわらず
そうすることが出来ず
具象の私が
抽象的私を逸脱することがある
*
私の中に
抽象的あなたと
具象のあなたも同居している
抽象的あなたと具象的あなたが
私のいいように外れると
嬉しくて
私が悪い様の外れると
腹が立つ
*
頭の中には
様々な抽象が創られては消えてゆく
感覚は
頭の中に様々な具象を展開して
同居する抽象と対峙する
感情が
抽象と具象に変化を求める
目まぐるしく交錯するイデアたちが
何処へ行けばよいのかと
争いさすらう
私は何処へ行くのが良いのだろう
我々は何処へ行くのが良いのだろう
見えている景色が
微細なところで
少しづつ変わってゆく
感覚がもたらす具象は
私の意とは無関係に
自律的に変わってゆく
それに引きずられまいと
私の抽象が踏ん張ろうと
様々な思いを巡らす
変わるがままにしておく具象もあれば
変わらずにしておこうとする具象を区別する
変わらずにしておこうとする具象を
変わるがままにしておく具象と為す時
私は
現実に負けたと思う
変わるがままにしておくしかなかった具象を
変わらずにしておけるようになったとき
私は
現実に勝ったと思う
抽象的な私と
現実の私
私は私に勝ったり負けたりしながら
具象と抽象を行き来する
酒に呑まれたかのように
具象と抽象の間を行き来する