桜の樹が 毎年春になると 同じ花を咲かせてくれる 去年の花は散り また新しく花を咲かせてくれるから 去年とは違う花なのでけれど 姿かたちは同じ花である この違いながらも同じである花が 流転する万物の中で 再び現れるのである このような 同じ花を再現する能力において 生命は流転を免れながら 息づいて... 続きをみる
言葉のブログ記事
言葉(ムラゴンブログ全体)-
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思考の世界の中の大空に 「善」という字を描いてみる その「善」に 「善」についての語らいや 「善」とされる経験を紐づけてゆくと 大空に浮いていた「善」が 次第次第に落ちてきて 心の中に納まった 心の中に納まるや 「善」についての語らいや 「善」とされる経験が心を震わせながら いよいよ本物の「善」と... 続きをみる
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「むかしむかしあるところに おじいさんとおばんさんが すんでいました」 こうした言葉たちを読むと 頭の中に おじいさんと おばあさんが生まれてくる おじいさんやおばあさんばかりではない 龍や雷様も生まれてくる 言葉には世界を創造する力がある そうした世界を 言葉たちがさらに動かす 凍てつくよう... 続きをみる
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「オオカミが来た」 という言葉に反応して 山とは逆の方向に逃げる この行動は 言葉により誘導されたものであるが その背景には 「オオカミは山に棲む」 という知識 「オオカミは恐ろしいもので 襲われないように 距離をとらなければならない」 という知識がある このような知識は 「オオカミが来た」と... 続きをみる
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お金が欲しいと思う できれば働かずに お金が入ってくればと願ったりもする お金が欲しいと思うことは 悪いことではない お金が欲しいのは 生きている証である 生きようとする意志の表れともいえるだろう お金が欲しい お金を稼ぐ お金を手に入れる お金を使う また お金が欲しくなる こうした円環のなかで... 続きをみる
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反応が進むには 様々な条件がそろわなければならない 温度や湿度 pHや気圧や浸透圧 反応に必要な材料や 反応を触媒する仕組みも必要になる こうした様々な条件を整えられた場合にのみ 適切に反応が進むということになると 自然に任せていたのでは 到底適切に進むことが困難である そこで 反応が首尾よく進む... 続きをみる
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半透膜で仕切られた内側で 細胞が規定された反応を巡回させているように 不完全な隔壁で守られた内側で それぞれの独我論がそれぞれの規定を巡回させている この巡回は 隔壁の不完全性において 外部とわずかに交流し この交流により 独我論は遷移する 「こうあるべきである しかし 世の中はそうなっていな... 続きをみる
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言葉は 真実を語れるという野望の上に成立している幻想だ 予言が真実であることを取り繕うために 予言通りのことが起こるよう画策するがごとく 発した言葉を実現しようと 様々な努力を重ね 言葉に信頼を持たせることにより 言葉はその威厳を維持している このような実践努力がなくなると 言葉は信頼を失い 役立... 続きをみる
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私にとって 言葉は借り物だ 同じ言葉を借りていると その人の間で その言葉で通じ合い 意思疎通できるようになっている 同じ言葉を借りることが大事で この人間観の連帯は その言葉の貸出元ということになる 言葉の貸出先はそれぞれの「人間」なのだが では言葉の貸出元も「人間」だろうか? 言葉は 親や周り... 続きをみる
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子供の頃は 言葉を知らなくて 「あれ あれ」と言い 年を取ると 言葉が出なくなって 「あれ あれ」と言う 思考は 確かに 言葉で考えることが多いが 「あれをこうして」などというあいまいな言葉でも 思考は思考である 考えようによっては 「赤に黄色みがかかった明けの空」という言葉より 「今見えている空... 続きをみる
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言葉は間主観的クオリアだ 感動や悲しみが 自分だけのものであるように 言葉も 言葉を話す人たちだけのものだ アリたちのフェロモンも 間主観的クオリアだ クオリアがクオリア生む連鎖のなかで 言葉や フェロモンが 個体から個体へと クオリアを伝達している 「好き」という感情 「嫌い」という感情もまた ... 続きをみる
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言葉の字面と 言葉としての発音は 時空の世界では 全くもって異なる存在だが 言葉の世界の仲介により 同じ存在として認識することができるようになっている 「存在」と“そんざい“という発音は 同じ意味を共有しているからだ 意味を共有しているから 別々の時空的な存在が同じになるということだ この様に 時... 続きをみる
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オスとメスが接触して 次世代命の誕生を迎える 普段は離れているオスとメスが 接触するように様々な工夫が施され 必然的であったかのように オスとメスが結ばれる 昆虫は フェロモンを放出し 異性をおびき寄せるたり 音を出して 異性を呼び寄せたりする 花々は 昆虫を誘い 花粉を別の花へと その昆虫に運ば... 続きをみる
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べきである星人は 「・・・すべきである」と考えると それをとことん実践する 決められた予定を ことごとくその通りに実践しなければ 気が収まらないのだ それほどまでに 「べきである」という言葉を愛しているのだ さらには それを 他人にも押し付けてくるから たちが悪い ともすれば 自分には甘く 他人に... 続きをみる
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法律は大切だ とはいえ 法律も 人情にほだされることもあり 力に屈することもある 経済も 人情にほだされてこそ輝きを放ち 力に屈しながら循環を続けている 人情も 力も 人間の欲の表れだ 人間の欲は 人間が生きるための義務の履行を促す手段である だからなのだろう 人間が生きる義務を 円滑に回すように... 続きをみる
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頭の中で繰り返す私の主張を隠し 当たり障りない言葉を発する 言わずに隠し置く本音を 私は 一日にどれくらいため込んでいるだろう 私はきっと ため込んだ本音をどこかに捨てている 知らぬ間に 捨て去り 当然に 私以外のだれもがそれを知らない だから 私が発した当たり障りのない言葉たちが 私のイメージに... 続きをみる
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人間が棲める環境は 気温や気圧 空気中の酸素濃度等々で 客観的に記載できる が 記載された文字の中を 人間が棲むわけではない 文字の中ではなく この文字が実践されている環境の中を 人間が棲んでいる 文字は 実践されている環境を 写し取るだけでなく 文字で描かれた理想を実現する過程でも その力を発揮... 続きをみる
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痛みは 私だけのものらしい 他人の痛みは 頭で想像はできても それを知覚できない 自分の痛みだけが 私が知覚できる痛みだ このように 痛みは 普遍的なものではなく 個人的な感覚だ もっと言えば 独我論的感覚だ 痛みに苛まれている時 私の意識の全てが痛みとなる この全である痛みが 他人には無であるの... 続きをみる
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言葉は規範となり 行動の鋳型となる そして 思考の鋳型となり 自我を成型する 成形された動きが 循環を描き 時間を超えて存続してゆく 鋳型のない自由な動きは 軌道を外れた衛星のように 消え失せる 他者が消え失せぬように その他者の鋳型となり その他者を循環の規範に乗せ 自信も 他者が形成する鋳型に... 続きをみる
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助け合い 支えあうから人間であり 野放図な野生の生活を抜け出し 社会的で快適な生活を送っている この社会性動物を 言葉が支えている このことから 「助けてください」という言葉と 「ありがとう」という言葉と この両者の間にある 言葉を投げかけられて人の行為 この3つが連なってこそ 言葉は社会性を発揮... 続きをみる
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好きや嫌いにかかわらず 万有引力と同じように 同調圧力にさらされている スリッパは日々足に踏みつけられ その足の形に馴染む形に変わっていく 足からスリッパに向かう同調圧力だ これと逆の方向 すなわち スリッパから足にも同調圧力が働く 心地の良い場所まで足を入れ それ以上でもそれ以下でもない場所に足... 続きをみる
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実効再生産数という概念が コロナ禍の中で脚光を浴びた 一生のうちに 何人の女児を 一人の女性が生むかを数値化した 基本再生数という概念が人口学にあるが コロナ禍の中で脚光を浴びている実効再生数は この人口学の概念を感染学に応用したものだ 再生数が1を超えれば 人口は増加 感染は拡大する 逆に 1を... 続きをみる
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観察する時は 現実の動きを言葉に移しかえ 実践する時は 言葉を現実の動きに移しかえる このように 観察においては 言葉は後置され 実践においては 言葉は前置される 前置されたものから 拘置されたものへの変換においては 技術力が試される 観察においては 「絵にもかけない美しさ」ではないけれど 言語表... 続きをみる
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物と物の対応関係を 言葉が仲立ちしていることがある 春には お内裏様とお雛様を並べてみたり 夏には 鼻緒のついた下駄と浴衣を揃えてみたり 秋には ススキとお団子を並べてみたり 冬には 柳の枝に白い繭玉を飾ってみたりする 時と場所に応じて 普段は別々に存在している物たちを 言葉が引き寄せる このよう... 続きをみる
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法律は 法律の威厳を維持する為に存在するのであり 必ずしも 人々の幸せの為に存在しているのではない ただ 法律の威厳を維持する為に 人々が法律の部品として動く必要があり この必要を満たすために 法律は 人々に利益をもたらしている 言葉も 言葉の威厳を維持する為に存在しているのであり 必ずしも 人々... 続きをみる
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全体を保持するコミュニケーションの中で 部品化が進んでゆく オータコイドやホルモンに反応する細胞たちが 細胞間コミュニケーションを実践し、 フェロモンや 姿や 動き それに言葉などの音に反応する個体たちが コミュニケーションを実践している コミュニケーションが進めば進むほどに 個体の部品化が進み、... 続きをみる
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責任やら義務やらに がんじがらめになっていると 猫になりたくなる 言葉に翻弄されないからだ 別に猫にならずとも 言葉から解放されればよいのだけれど 私にも人間としてのプライドがあるので 言葉を理解し駆使することから逃れられずにいる だから 言葉に翻弄されないようにするために 言葉を駆使しようと躍起... 続きをみる
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幼い子供は 思うようにいかないことがあると 素直に泣いて 思うようになると 素直に笑う 言葉はしゃべれなくても 泣いて 笑って 周囲の人々に 心を伝えている 人間は 心を伝え合い 争ったり 仲良くなったりする 言葉を覚えると 言葉で 気持ちを伝え合い 争ったり 仲良くなったりする 人間関係という状... 続きをみる
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地球という言葉がない太古の時代から 地球は太陽の周りを回ってきた 言葉は そんな自然のなかで 生ま育ってきた その言葉が 人間を介して 自然を支配する 言葉が 草花を 野草や 雑草や 野菜に分類し 草花を支配する 動物や 益獣や 害獣や 益虫も 害虫に区分けされ 支配されている 人間にも 様々な名... 続きをみる
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子供のころ 思うようにならないのは 自分が子供だからで 自分も大人になったなら 思うようになると感じていた 大人は 不平を言わず 何でもわかっているかのように振舞っていたからだ でも 大人になって 大人になっても思うようにならないものだいうことが分かった 大人が 不平を言わず 何でもわかっているか... 続きをみる
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お金よりも大切なものがある だからと言って お金に惑わされずに生きてゆけないのが通常だ お金が欲しいから 一生懸命働く 逆に お金が欲しくなくなれば きっと働かない そうなれば お金で人を操っている お金持ちの人たちは 「こんなはずじゃない」と嘆くだろう でもそんな風にはきっとならない お金があれ... 続きをみる
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みんなが生意気になれば もう少し自由な空気になるのだろう * 会議室のテーブルに向かい うつむきながら 自分を押し殺し座っているのではなく しっかり前を向き 生きている人間らしく 意気込みをもって 過ごさなければ 自由な空気が生まれないし 不平等は不平等のままだ 生意気にならなければ 何も買えられ... 続きをみる
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受精した卵が 細胞分裂を繰り返し 内側に神経ができてきて 外側に皮膚ができてくる この内側の神経が 外側の皮膚を刺激して 手や足や指 それに目や鼻が誘導される 何の特徴もない皮膚の裏側に 神経が伸びてきて コチョコチョとくすぐると 皮膚がくすぐったくて ウネウネ動いているうちに いつの間にか 手や... 続きをみる
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言葉の 形と音と意味は反応で結ばれている 人間の能動的反応がなくなれば 言葉の 形と音と意味は バラバラに散らばって 秩序ある世界から 無秩序へと 創られて来た系譜としての言語世界が崩壊してゆく 同じように 細胞を低温に晒し 酵素を失活させ 化学反応をストップさせると 細胞の秩序は失われ 維持され... 続きをみる
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ダーウィンズフィンチは 豊富にある食べ物に応じて そのくちばしを それを食べるのに適した形へと 進化させてきたと考えられている この例でも分かるように 環境に応じて 臨機応変に対応できると「生き易さ」が向上する 氷結の地には 氷結の地の流儀があり 南国の地には 南国の地の流儀があり 砂漠の国には ... 続きをみる
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去るも地獄 残るも地獄 そんな状況には陥りたくない それでも あちらを立てればこちらが立たず こちらを立てればあちらが立たず という状況が世間に溢れているので どこかで 去るも地獄 残るも地獄 というようなことになってしまう だから 地獄もそれなりに過ごしやすいと ありがたい そんなふうに あちら... 続きをみる
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「今ある姿」とは違った 「あるべき姿」を思い描くことができる 「今ある姿」を 「あるべき姿」に近づけようと 努力を重ねたり 嘘をついたり 護摩化したりしてもする 「あるべき姿」を追い求めるのは 何も人間の意識だけのことではない 大腸菌も 闇雲に栄養をたくさん取って大きくなるわけではなく 大腸菌とし... 続きをみる
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雨だれが ポツリまたポツリと水たまりに落ちている 水は水と重なり合うことができず 水と水がぶつると 弾け合い 音が生まれる 水から生まれた音は 弾け合うことなく 重なり合い 進む先々で生まれる音を飲み込みながら 拡がってゆく 滝つぼには にぎやかな音の群れが鳴り響いている 音ばかりではない 弾け合... 続きをみる
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世界中の人が交流するようになって 世界中に息づくあらゆる病原菌が身近になってきてしまった コンピューターウイルスがそうであるように 病原菌もきちんとした規則に則った秩序であるから 恐ろしい 無秩序な病原菌には 感染力がない 秩序があり きちんとしたプロトコールに従い 人体に侵入し 増殖し 人体の秩... 続きをみる
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言葉を聞くと 自動的に その意味を頭の中に思い描いてしまう 意味が 言葉を発した人ばかりではなく 言葉を聞いた人にも発生するようにできているから 会話が成り立つ 同じ言葉を聞くと 同じ意味を思い描くという能動的反応が 自動的に起きるように頭の中にうまく仕組まれているから 会話が成立しているというこ... 続きをみる
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「生まれ変わったら、鳥になりたい」 ラジオから こんな言葉が流れてきた 「ああ、鳥か。どんな鳥だろう?」と 私は頭の中で反芻しながら 「鳥になるなら、何の鳥になりたい?」と 隣の人に声をかけた 「ええ?何だろう」 しばらく考えていた隣人が 「カラスかな」と反応してくれた 「あれれ、意外だなあ。じゃ... 続きをみる
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昔々、「言葉」にも意識があり 「言葉」も生き生きと成長していたので いつか「人間」になれると信じていた そんな言葉を傍らで見ていた「人間」は 「がんばれ」と励ましてくれたりもしたけれど 「無理だから、諦めなさい」と元も子もないことをいったりもした 「言葉」は 「がんばれ」と励ましてくれる人が好きだ... 続きをみる
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我思う故に我在り、という 「思う」ことで存在する「我」を コギトというのだが このコギトは 「思う」ことで現れるので 「伝える」ことでは現れてはくれないらしい 「我」は 物の名前やその使い方と違って 「伝えられ」て記憶しているのではなく 「思う」対象に先んじて存在している ここに コギトの孤独があ... 続きをみる
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人間には 言葉という刺激がある 言葉は お米や小麦 お肉やおさかなのように 味覚を刺激してくれないし 腹も膨れない そんな 内臓が見向きもしない言葉を 目や耳が欲している 目や耳は 遠位感覚器だ 遠くにある餌の在り処や 遠くにある危険な存在を感知するために 進化してきた感覚器だ 言葉により 行った... 続きをみる
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イデアは静止した永遠不滅の存在らしい * 「歩く」という言葉がある この言葉は 歩かずに静止している 静止している「歩く」という文字を見ていると 「歩く」が 永遠に続いてゆく 「生きる」という言葉も 「歩く」と一緒に静止して 一緒に続いてゆく 「歩く」も「生きる」も 動かない だから 歩くのをやめ... 続きをみる
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椅子を見ると 座りたくなる 座る必要のない時は 椅子を見ても 景色の一部であり 椅子があることに気付かないこともある 椅子の足が抜け落ちそうでガタガタしていても 椅子に座る必要もなければ 直しはしないが 椅子に座りたければ 椅子の足が外れないようにはめ直したりする 椅子と同じように 言葉も 右から... 続きをみる
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あまり使わない単語や用語は その意味や正確な書き方を なかなか覚えられないけれど よく使い よく書く単語や用語は きちんと覚えている 単語や用語は その形と音と意味が 互いに関連し 連想し合う間柄になって維持されている 連想は反応であり 橋という字を見て橋の意味を連想することは ひとつの特異的な反... 続きをみる
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「うわー!うんこだ」 「逃げろ!逃げろ!」 「くさい!くさい!」 子供たちが騒いでいる 私も子供の頃 「うんこ」という言葉から逃げ回った 本物のうんこがなくても 「うんこ」という言葉さえあれば くさいのであり 逃げ回る動機になる こんな子供たちのじゃれ合いを 物質主義者は 「存在しない「うんこ」と... 続きをみる
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人間には 様々な物事に名前を付ける権限があるらしい そして この権能を振りかざし 名前をかぶせた事物を支配することに夢中になる 全ての事物に名前を付け それらをすべてを支配下に置く そんな夢物語を描く性分が人間にはあるのだろう どんな高い山にも上り どんな深い海にも潜り 宇宙の果てまで冒険してみた... 続きをみる
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人間には 人権が認められ この人権の名のもとに 人間が保護されている 猫や犬には 当然、人権がない 人でないからだ それで保護の手も手厚いとは限らない 猫や犬は 法律上は動産ということで 花瓶や本棚と同じ扱いということの様だ どんなにかわいらしいペットも 動産というレッテルが貼られ 殺されてしまっ... 続きをみる
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ちゃんとした言葉がなくても 猫も犬も 食べれるものと 食べれないものの微妙な違いが判るらしく 鼻を近づけ臭いをかぎ 食べたり 横を向いて食べなかったりする 「いい匂いがする」という言葉がある この言葉を聞くと 鼻を近づけその匂いをかぎたくなる そして 「ああ、いい匂いだ」と 同意することもあれば ... 続きをみる
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金魚が 水の中で息をしている 私が水の中に潜ると 一分もしないうちに息が苦しくなる 実に金魚は凄いことをしている まあ 金魚にしてみれば 水の外で息をしている人間の方が よっぽど凄いということにはなるのだろう 空気のない宇宙空間で生きている生き物に出会ったならば 「凄い生き物だ」 「どうやって呼吸... 続きをみる
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同じものを見ても 見る人により異なる意味が生まれる 誤解と評される類のこともあれば それぞれの人の背景により生まれる違いもある 同じ夕空を見ても 明日は晴れそうだと思う人もいれば 明日は雨が降りそうだと思う人もいる 同じ行為や発言を見聞きしても 好ましく思う人もいれば 迷惑に思う人もいる このよう... 続きをみる
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人間の目は 物よりもその意味を見ようとする だから 形として飛び込んでくる文字も意味になる 人が人の行いを眺める時 その行いよりも その意味を見てしまう 裏も表も見てしまう 人の口は 物そのものよりもその意味を語る むしろ 言葉になると 物自体は無となり 意味だけが空を舞う この意味世界に 人は右... 続きをみる
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ネコが 自由気ままに見えるのは 言葉を知らないからかもしれない もし 言葉を知っていたとしても その言葉にどれだけ従うだろう 猫好きの私としては 言葉を無視して 自由気ままに 猫を貫いてもらいたい 意にそわない言葉をかけられても それに異を唱えることもほどほどに 自由気ままにふるまう そんな猫に憧... 続きをみる
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言葉が偉そうに ウンチクを並べたてているのだけれど ウンチ君が騒ぎ出すと 並べられていたウンチクは ドミノ倒しのごとく次から次へと倒れてしまい 頭の中はウンチ君でいっぱいだ 飾り奉られた 立派な正義も ウンチ君の前では形無しになる だから ウンチ君は 立派な言葉たちにより 闇から闇へと葬られて 表... 続きをみる
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写真の世界のように 言葉の世界の中では 時間が止まっている もしくは 言い換えれば永遠となっている だから 言葉の世界の中で 時間は自発的な流れを止めて 時間は受動的に流される こうして 言葉の世界の中では 時間も操作対象になり下がり 1年でも 100年でも あっという間に過ぎ去ることになるし か... 続きをみる
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「蔑む」という言葉がある この意味するところは 言葉の世界にのみ存在してはいない 現実の世界を反映した言葉である 「差別」という言葉もまた 言葉の世界にのみ存在していない ある主体が ある客体を蔑む時 主体は客体との関係において 主体の側が 自由のみならず優位性を取得する 言葉ではなく 現実におい... 続きをみる
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アリの国の住人に 働きアリというのがいる 仲間同士であいさつを交わし 食事を分かちみんなでなかよく暮らしている そして そんなみんなのために 野山を歩き 食べ物を集めては アリの国に持ち帰る 社会保障はどうなっているのだろう? 病気になって働けなくなったら 誰が面倒を見てくれるのだろう? そんなこ... 続きをみる
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徒党を組み 正義の歌を唄う そしてまた 別の集団が徒党を創り 別の正義の歌を唄う 互いに 歌を聴くこともなく 歌を披露しあうこともなければ それぞれの歌を ただ唄えばよい しかし 歌と歌が出会い 矛盾があからさまになると 歌が人と人を争わせることになる 人が歌を唄い 歌が人を操る 操られ争い その... 続きをみる
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病に倒れながらも 句へ情熱を傾けた正岡子規 明治初頭の偉人だ 野心を持ち 得意を慎め そんな子規の言葉に 豊かになり ハングリー精神が薄れた現在を憂いたくもなる しかし 私も 今の人なのだろう 得意満面の顔をして 着飾り 近代的な便利で美しい都会を 何をするでもなくさ迷い歩く 子規は 病にあればこ... 続きをみる
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文章ばかりを読むのではなく 顔色や 情勢も読んだりする ネコは 文章は読まないけれど 顔色や 情勢は読んでいる様子に見える 目があり 見たものに意志を感じる そして 見たものに応じて 顔つきを変える 人間もネコの顔色を読む ネコの意思を読み解こうとする 言葉はないけれど 言葉の意味にあたる部分を察... 続きをみる
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会話には 「話す」側と 「聞く」側がある どんなにいい話であろうとも 聞く耳がなければ 話は届かない 受け入れる 受け止める 受け流す 反発する 聞く耳にも様々な反応がある だから これを予見して 「話す」側が工夫を凝らす 子供相手と 大人相手とでは話し方が違う 親しい人か 仕事の中か 遊びの中か... 続きをみる
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デカルトのように 言語を懐疑し続けると 言葉を失う 言葉はアプリオリな存在ではないらしい それでも 言葉を聞くことができ 言葉を話すことができるという現実を認識でき 話すことと 聞くことの相互性を認識することができる 言葉とその意味の関係が認識できるからだ こんな奇跡が存在している この素晴らしい... 続きをみる
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あれとそれが 同じかどうかを あれこれ眺めたり考えながら判断する 同じところもあり 違うところもあり 大体同じ事もあれば 似て非なることもある このような同定は 異なる塊を同一にする過程である 塊に一般名詞を付与するには 異なるものを同じと認識する必要がある 塊ばかりではなく 現象も同じだ 雨や晴... 続きをみる
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機能は 繰り返される因果律であり 帰納法により認識される事象である 因果律は 原因から結果への動きであり 予想可能性を生む 定型な文字が 定型な意味を持つのも この因果律が機能してこそであり 動物種としての 定型的な身体が 定型的な行動を予測させるのも 因果律の機能である 定型な物質の組み合わせが... 続きをみる
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私の意識になかで 言葉が踊っている それなのに その言葉を文字を見ることも その言葉を音を聞くこともできはしない 私の中の意識の言葉は透明だ それでも鮮明に言葉が踊っている この透明な言葉は魂と同じかもしれない 魂というものも音もしなければ見えもしない 透明な意識が 確かの私の中に存在している 透... 続きをみる
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種の壁がある 種と種を分けている壁だ ギフチョウと ヒメギフチョウは 交雑可能ではあるが 生息地域の重複が少ないので 互いに交雑する機会が少なく それぞれの種が保たれている ライオンと ヒョウの交雑で生まれた レオポンやライガーには 生殖能力はない 種の壁を越えて次世代は育たない 逆に言えば 種の... 続きをみる
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