事実と評価:実体と虚像の同一性について
夕日が沈む様子を眺めている脳は
景色に支配されている
太陽が沈むと
脳の中の太陽も沈むけれど
脳が太陽をもう一度昇らせようと頑張ってみても
夕陽は沈んでゆくばかりである
絵を描こうと眺めている脳は
キャンパスを支配している
日の出の絵を描いた画家は
その太陽の位置を任意に動かすことが出来た
景色は脳を支配し
脳はキャンパスを支配する
そして
キャンパスに描かれた絵画は
それを鑑賞する人々の脳を支配する
景色は実像であり
脳内の景色は虚像であり
描こうとする脳内のイメージは虚像であり
描かれた絵画は実像となり
それを鑑賞する人々の脳内の絵画は虚像である
そして
それぞれの実像と虚像は同一視されながら
夕陽や
朝陽という言語を昇華させている
インスリンとインスリンをコードするDNAにも
このような同一性が存在し
その他の同一性を保持するシステムと共に機能して
血糖値という実体を支配している
評価は
こうした同一性を維持する機能として成立している
この同一性保持機構の中で
実像と虚像が行き来している
だから
一般的に
実体をより正確に反映した評価が同一性が高く
良い評価ということになる
ところが
印象派の絵画や
ムンクやピカソのように
実体を抽象化して
その絵画から
様々な実体と虚像が交じり合う世界を愉しむ文化も生まれて来た
血糖値を反映してインスリンが放出される
インスリンは虚実交じり合う文化なのだろう
血糖値が上がっても
インスリンが放出されなければ
血糖値はそうやすやすとは下がらないのである
虚像の仲介なくして
実体は制御されてゆかないのである