ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

オートマチックに愛してしまうこと


時間が流れてゆくので
現実の今は
自動的に未来になってゆき
逆に
記載された今は
自動的に過去になってゆく


このような流れの中で
生きた化石シーラカンスは
現実の今であり
記載された過去であり続けてきた


古典文学もまた然りであり
過去を再現いている読者の今が
昔の秩序を今に再現し続けている


このように
自動的に
記録としての過去を
再現し続けるシステムがある
生命装置もこれだ


自動的に
見えるものを見て
美味しいと感じ食べたくなり
自動的に恋におち共に過ごしたくなる


拒めがたくように
何かを信じたりする


自動的に繰り返す


同じように繰り返す群れ


そんな群れの中にいることが心地よい


それが自動的に描かれる自然への
帰依ということなのだろう


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メモ


蛇がいると
たいていの人は驚いて
そこへ近づきたくなくなる


一人薄暗い山の中にいる時に
後ろの方で
ガソゴソ音がすると
つい振り返り何がいるのか探してみる


数千年前の人類も
こうやって生きていたのだろう


自動的に
繰り返される行動の数々


古典文学の主人公は
読まれるたびに生まれては消えてゆく


読むほどに
主人公に入れ込み
応援し
一緒に悲しみ慶び
本を読み進める


自動的に読み進めたくなるのが
古典の魅力であり
古典たるゆえんだ


人は自動的に人を愛している
素晴らしい古典の主人公に魅せられるように
(しかしながらすこし違う魅せ方で)
時に憎み
時に不満を爆発させながらも
愛し
未来に歩を進めている


人類はそんな古典的名作の一つであり
私もその一人であり
一部だ


自分の意思で
憧れたり恋をするのではない


ただどうしようもなく自動的に
自分を
人を
愛するようにできているのだ

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