自由は遠きにありて思うもの
雑草の自由には
壮絶な競争が付きまとう
そこに
生えようとした幾多の種子の中で
今、そこに生えているという強者の証として
雑草の自由がある
だから
人の手により守られ
趨勢を誇っている小麦や稲は
人の手が離れると
たちどころに
雑草の自由に踏みにじられることになる
保護されているという安心は
自由とは遠いところにあったりする
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メモ
管理された農地には
生えるべき植物が決まっている
植物がそれを決めることはできない
どんな植物が
どれくらい育てられるのかは
その農地の管理者の意思と手腕にかかっている
農地の管理者は
植物の間の平等とか公平を思考する義務がない
だから
雑草を徹底的に排除する
もし
雑草に
管理者に勝る強さが備わったなら
その圃場は
革命の場へと変質する
ということになる
自由は遠きにありて思うもの
そして
憧れて忘るることのできぬもの
整然とならんだ野菜の苗は
どこか
運動会の行進に似ている
違うこともたくさんあるのだが