ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

世界を統合する有用性


現実を眺める人間に意識の中で
現実が複製され記憶される
このようにして
それぞれの人間に
複製された意識の中の現実は
どれもこれも同じようでいて
実に様々な多様性を秘めている
同じ花を見ても
美しいと思う人もいれば
そう思わぬ人もいる
同じ食べ物を食べても
美味しいと思う人もいれば
思わぬ人もいる


意識の中の現実を
統合したほうが便利なことがある
一つの現実を
一つの同じ意識の現実として
みなで共通の認識を持つ努力である


この努力に失敗すると
次から次へと
真実が複数になってしまう


そうなれば
意見対立が起き
紛争は平行線のまま
解消されないということになる
まあ
真実が沢山あることにしておけば
紛争も収めることもできるのだろうが
真実は一つの方が
わかりやすい


わかりやすいのと
紛争がないのと
どっちがいいのか
有用性が推し量れることになる


ーーーーー
メモ


一つの現実を起源として
沢山の意識世界が乱立する


この乱立する世界を統一する努力の技術として
言語体系が存在している
だから
言葉は統一されていたほうが
厳格で正確な議論が可能になるので
アカデミーの世界では
用語を厳密に定義する努力が続けられている


それが高じると
言葉により描かれた統一世界が
唯一絶対の世界に崇められてしまうことになる
このようにして
現実を無視した
宗教的な意識世界が創造される


このような世界では
統一世界に反する現実はタブーとして
隠される


そんなことをしてまでも
意識世界の統一が有用なのだと
意識は叫ぶのだけれど
叫んでも
叫んでも
それが届かない現実が存在してしまう


言語圏は
言語圏にとどまり
言語圏の外にある現実には無力なのだ


さらに
言語は多数の言語圏からなり
その中でも方言がある


言語の世界さら統一されていない
それにもかかわらず
言語による意識統一の動きは止まる兆しはない


人間は
自分の意見を押し付つづける生き物らしい
他人に対し言葉により押し付ける
自然に対し技術により押し付ける
意思をまき散らし
都合よく生きてゆく生き物らしい


押し付けの失敗により
調和のない世界が現れると
争い始める生き物らしい


そんな人間に疲れたら
人間に毒されていない世界に座り
ありのままの自然を
ゆっくり眺めてみたくなく


多種多様な
管理されていない存在が
管理されていないながらも
調和しながら
一つの現実を分け合って
息づいている


その調和に気付くとき
なぜかホッとした気持ちになれるから
ありがたい

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