対応世界:「2」は「10」である
1+1の答えが
2である世界もあれば
10である世界もある
10進法の世界と
2進法の世界では
1+1の答えが違ってくるけれど
表現される意味としては
同じ数を指し示している
このような関係を大さっぱに表現すると
「2」は「10」である
ということになる
10進法の「2」と
2進法の「10」が対応しているということで
「2」と「10」がどこまでも一致しているという意味ではない
数字ばかりではなく
対応関係の背後には
10進法や2進法のように
様々な法則が横たわっている
法則は
義務で成立していることもあろうし
感情や本能で成立していることもあろう
酵素や物質の形状で成立していることもあるだろう
画一的な動態のなかに
対応関係が見え隠れしながら
世界が恒常を描いてみせてくれている
「1」の次が「2」の場合
1+1=2であり
2-1=1であり
10-1=9なのだが
「1」の次が「10」の場合
1+1=10であり
10-1=1になる
2-1は存在しない
このように
「0」と「1」と「2」と「+」と「-」の関係が
10進法の世界と
2進法の世界で微妙に異なり
それぞれで循環理論の関係を築かれている
おかげで
どちらの世界でも
1を足し1を引くと元の数字に戻るれるようになっている
1+1=10かつ10-1=9
というような世界になっていないから
それぞれの世界で
数字も演算記号も整合性の取れた意味を持ち合わすことができている
重要なことは
それぞれの数字や記号にそれぞれの意味があることではなく
数字や記号の関係性全体で
整合性の取れた円環的な変換ができることに
大きな意味があるということだ
対応関係が
定常的な円環的関係を築き
それぞれの世界を循環させている
生物種や
社会は
それぞれの円環の中で対応関係が築かれ成立している
それぞれのどこかで
「1」の次が「2」であるのか
「1」の次が「10」であるのかといった違いがあるのだろう
その違いが
全体として大きな違いとなって世界が維持されている