予定と実践:痛みを感じたり感じさせなかったりさせる心
戦争をしていると
味方と敵で
命の重みが全然違っている
敵の痛みはわからず
味方の痛みは恨みに変える
このように
仲間で集団を作り
闘い合うということは
痛みとか
命とか
同じものを
異なるものとして扱う道理があって
成立している
神経でつながっている身体と
神経でつながっていない身体が
物質的には同じであっても
精神的には全く異なるようなもので
味方とはつらなり
敵とはつながらないことで
同じ集団というものを
対照的なものに仕立てる何かの道理が
敵と味方を分けている
こうした道理は
目には見えない
けれど
行い全体から
どちらの集団に属しているのかが
わかるようにはなっている
道理が行動を変容させているからである
何をすべきかという予定を変容させているのである
ここに集団の意識で存在する
そして
集団の意識を守るために
闘うのである
同じ集団に属するものが
勝つと嬉しくなり
負けると悲しい
そんな心理が
人間には埋め込まれているらしい
自分は劣っていても
集団の誰かが素晴らしければ
幸せになるのである
こうした心理が
同じ命を異なるものにするのである
心は
敵と味方を作るようにできているらしい
これはある意味生命の宿命だろう
私の右手とあなたの右手は
同じものであり異なるものなのである
心には
違いを作る道理に満ちている
こうした道理があるからこそ
富士の高嶺に降る雪と
京都先斗町にする雪の違いを愉しむこともできるのである