トリプルワールド6
富士山の形も次第に変わってゆく
一日二日では目に見えることはないけれど
100年、200年という単位で見れば
富士山の形も変わってゆく
噴火でもあれば大きく変わる
大地震でも変わるかもしれない
このような形の変化を
今の富士山とその周辺の状況から
予想することは難しい
数日後の台風の進路でも
大まかな予想できるけれど
性格には予想できないだろう
偶然と必然の中間的な意味合いで
蓋然という言葉がある
便利な言葉で
蓋然的に遷移していると表現すれば
偶然性の高い遷移も
必然的な遷移も包括できるし
必然的な遷移に
偶然的な要因があったとしても
蓋然的とはそういうものだということで
正確な表現がなされたていたことにはなる
曖昧の領域が広くのこすのだけれど
便利な言葉だ
このあいまいさを厳密にしてゆくのは
この蓋然的遷移の中で
偶然的要素と
必然的要素を振り分けてゆけばいいのである
このような振り分けの中で
対象の能動性、受動性、主体性を考えることができる
世界は動きの中にあり
その動きは蓋然的に制御されている
富士山も蓋然的に制御されながら変遷してゆくし
台風も蓋然的に制御されながら進んでゆく
だから明日の姿を予想できる
富士山も台風も自由ではない
どちらも
明日、跡形もなく消失することは
まずないだろう
今ある形質を引きずりながら
明日の形質を描いて行く
この過去に引きずられる性質は
様々な蓋然的な制御によるものである