ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

徴候と憶測:永遠普遍の必要性について


リンゴの中の素粒子は見えない


そんな素粒子の世界を
科学の知見が教えてくれる


素粒子そのものを見るのではなく
素粒子の知識を見て
素粒子の世界に入る


言葉と数式が入り乱れ
様々な素粒子の個性が議論されている


日常生活において
電波は見えないけれど
電波を受信してラジオが鳴るから
電波はなるほど存在しているように思える


そんなラジオのような存在を介して
素粒子の挙動が研究されているようだ


私の身体には
ラジオや
ラジオに相当する素粒子感知器が備わっていないから
わたしには
電波や
素粒子を知覚できない


私が直接知覚することが出来ない事象を
言葉や数式や
ラジオなどの感知器が教えてくれる


考えてみれば
私の感覚や
言葉や数式
ラジオなどの感知器は
私の頭の中に徴をもたらしてくれている
徴製造機だ


徴になれば
こっちのものである


徴が
頭の中で様々な憶測をもたらし
思考を誘導してくれる


そんな動きの中で
私の中に様々な実存が出来上がる


わたしは実存製造機だ


私の実存と他所の実存は
異なる起源に基づけば
異なるものになり
同じ期限に基づけば
同じものとなる


だから
同郷のものとは
同じような実存を持ち合い
同じ教育を受けていると
同じような実存を持つようになる


言葉を交わし合えば会うほど
同じような実存を持つようになる


生物学的背景も
同じならば
同じような実存を持つのだろう


人間同士同情し合えるし
昆虫より
哺乳類の方が気持ちが通じ合えるような心持がする


同じ実存やイデアを持ち合うことのメリットは
たくさんある


言葉とその意味の関係も
共通して持ち合うことにより
言語の機能が発揮できる


電波とその受信機の関係も
共通して持ち合うほどに
電波が効率よく受信されるようになる


GPS衛星の発信する情報も
同じ座標系で
同じ方式の電波を使わないと
妨害電波となってしまう


だから
永遠普遍のイデアがさもあるかのように
GPS衛星からは
定型的な方式に従った電波が発信されている


その電波を受信しながら
私は車を運転する


永遠普遍のGPSのイデアに感謝しなければならないだろう


個別の電波がイデアではない
その体系がイデアを創り上げているのだ


発信があり
受信があり
その間にイデアが息づいている


人と人の間に神がある様に
人と人の間に電波があるようだ


間主観性が組織化を推し進める


知覚に頼らない徴のやり取りが
間主観性を高めたり
リンゴの中の素粒子の挙動を憶測させてくれている

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