ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

局在と遷移:自由への躍動


ミミズが
玄関マットの隙間に体半分を突っ込み
干からび死んでいた


玄関マットを持ち上げると
その死んだミミズのもう半分が
まだ干からびずに横たわっていた


玄関マットの下の方が
湿気が多く
その方へと移動しようとしたのだが
隙間が狭く
入りきることが出来ずに
このミミズは死んだのだろう


ミミズにしてみれば
玄関先のコンクリートの上にはい出したしまったのが
運の尽きだった


なぜミミズが玄関先に這い上がったのかを
私は知らないが
ミミズにはミミズなりの考えがあったのだろう


良かれと思いしたことでも
裏目に出てしまうこともあるのは
世の常で
ミミズもその例外ではないらしい


とにもかくにも
ミミズという局在が
全体との調和を図るために
良かれと思われる様々な反応を駆使しながら
生き延びている


極端に言えば
調和が維持されていれば生き永らえ
調和が乱れると死んでしまうのだ


この繰り返しの中で
ミミズという局在の反応すべき現象が
洗練されて来た


洗練されて来たと言えども
それは
完璧ではない


思い出せば
前々日雨が降っていた
その雨の中
ミミズは地上を徘徊していたのかもしれない


もっと良い場所を求めて徘徊していたのかもしれない


危険を冒してもそうすることが
ミミズにとっては重要だったのかもしれない


自由とは
そういうものなのだろう

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