しりとり遊びは
今にして思うと
とても高尚な知的遊戯だ

遊びの場に登場していない言葉を
しりとりの場に提供し続けるゲームだ

まるで
科学の学会だ

誰かがすでに言ったことを
また持ち出すのはルール違反で
すかさず
「前に俺が言ったことだ」などと怒られる

そうなっては大変と
今まで出てきたものを必死で覚え
まだ出てきていないものを必死で見つけるのだ

知識は
かようにして
ふえてゆく

たくさんの人が集い
たくさんの英知を集積してゆく場が
アカデミズムであり
しりとりだ

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メモ

しりとりも
ルールを工夫しながら
様々に楽しむことができる

動物しりとりは
動物の名前に限定したしりとりだ
植物しりとりは植物
お名前しりとりは名前
曲名しりとりは曲の名前

知を分類し整理することも
しりとり遊びの醍醐味で
それは植物だからダメなどと指摘され
正面から反論したり
「あれそうだった？」などととぼける術を覚えるのも
しりとりの楽しさだ

誰も知らないような
意味不明な言葉が唐突に出現して
「なんだそれ、本当か？」などと
真偽を審議して
嘘をわかると
嘘をついた者に
一定の制裁を加えたり
逆に
本当と解り
それを言い出した者を賛美するのも
どこか科学の世界に似た
しりとりの遊びの魅惑の世界だ