見たことのない風景が
無限に広がっている

きっと
そのなかにも
見たことのある風景が
紛れ込んでいるだろう

その紛れ込んだ
見たことのあるような風景に向かって
帰納法的思考が志向する

帰納法的世界の安泰

この安泰の中で
好奇心は「また同じ景色か」と
ため息を漏らすことになる

そこで
日常を離れてみたくなるのだが
帰納法的世界から外れてゆくに従い
目を丸くしてほくそ笑んでいる好奇心も
離脱する段になると
恐怖に怯えることとなる

どれほどの恐怖に耐えながら
帰納法的世界から飛び立つことができるだろう

北海道
クラーク博士が指さす先に
どんな風景が開けているのだろう

少年よ大志を抱け

若者に開かれた世界に
熟年者としても憧れたい

そう思う時が時たまある

刻まれた皴に囲まれた目を見開けば
好奇心に満ちた瞳を
もう一度輝かせたいものである