人間は
未来を描く生き物だ

こんな未来が待っているに違いない
そう思いながら生きる生き物だ

そんな未来が来るかどうかが不安になると
そんな未来がやってきますようにと
祈りながら生きる

この祈るという
一見なんとも役に立ちそうもない行為が
人間の神髄なのだろう

一見役に立ちそうもない行為を
延々と続けてきた人が
時に大発見をする

星を観察し続けた人がいる
金を作ろうと様々な物質を調合し続けた人がいる
遠い遠い海を渡る人がいた
どうでもよさそうなことを
考え続けた人がいる

祈るという非生産的行為をよしとする本性が
他の非生産的な活動をもよしとしてきたのかもしれない

ただ生活に追われるのではなく
生活から遊離した活動を許容してくれた

ただの非生産的活動に終始してしまうことも無論多い
だが
この無駄に人間の神髄の種がある

祈り
祈り

祈り

また祈り

祈りに引きずられて
顕れてくる「何か」を
意識するともなく待ちわびる