過去という存在
過去は今存在しているか?
もし
過去が存在していなければ
現在の礎は今存在していないのか?
親があり
そのまた親があり
そのまた親が存在していた
そんな過去がある
そんな過去は過ぎ去り
現在がある
そして
現在も過去として存在する運命にある
現在は次々と消えてゆき
ただ消えてゆき
未来に何も残せないのか?
現在は未来に存在しているのか?
過去は存在しているのか?
単に
過去は存在していただけなのか?
記憶という過去が現在存在している
レコードや
レーザーディスク
メモリーチップ
脳神経
DNA
様々な記憶媒体が物質として
現在存在している
しかし
これらは記憶そのものではない
読み取られて
初めて記憶としてよみがえる
読み取られる媒体と
読み取るシステムが協調して
はじめて記憶として過去がよみがえり
過去が現在に存在することとなる
記録された過去を読み取ることで
現在は過去の礎に汚されてゆく
まっさらな現在は
瞬く間に
次から次へと過去の汚れに彩られてゆく
むしろ
彩られながら
現在が顕れる
このような営みを
系譜として引き継ぎ
存続させてゆく存在が
生命だ
純粋ではいられない
汚れても
汚れても
生き抜き
系譜を引き継いでゆく強い意志が
過去の礎として
源氏も引き継がれてきている
自然
ことに生態系は
そのような生命の営みの相互作用だ
他者を蹴落とすことも
他者と助け合うことも
過去の礎としての汚れであり
生き延びる知恵である
知恵は過去の礎であり
試行錯誤の末
生き延びてきたビッグデータの集まりだ
過去を信じ
新たな試行錯誤を繰り返す
また
新しい現在が
彩られながらやってくる
過去を読み取りながら
現在がやってくる