トリプルワールド9
主体的という言葉がある
世界の主が
能動的に世界を動かす様が
「主体的」と形容される
もう少しいうと
命令されて従属していても
能動的な現象を引き起こすことはできるが
命令されて従属している場合には
主体的な現象を引き起こせない
このように
主体性には
能動性に加えて自律性を加味した意味がある
このような主体性を
個々の生物に感じることができる
それぞれの生物の形は
粘土細工のように誰かの手で加工されたものではない
皆、種や卵から自律的に発生している
能動的な形態形成を自ら行っているということだ
意識としての意志とは異なるが
種や卵には
「こうなろう」という自律的な意志が含有されている
この意志に逆らわずに発生し成長してゆくのが
生命だ
逆らう術を持つことなく
この意志を肯定し
実践し続けるシステムとして
生命が成立している
このような意思による制御の檻の中に
生命としてのセカンドワールドが成立している