ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

トリプルワールド95


身体が
そこにあることにより
身体が風の流れを遮り
小さな乱気流を生じさせてしまったりする


風を感じるということは
このように
自然な風の流れを
歪めることだ


シュレディンガーの猫が鳴いている


言葉が
意味に変わるのは
自然な風が
何かにあたり
その流れがかき乱されることと
相似しているが
はるかに鋭敏だ


反応は
風を感覚に変え
言葉を意味に変える


そのままでいることを拒み
違う姿を希求するのだ


その違うものを
同じとしてしまうところが
意識の傲慢さであると同時に
知恵である


感じた対象が
感覚と同一であるとしなければ
意識は感じた対象を扱えないのだから
仕方もなかろう


贋作をオリジナルと言わなければ
成立しない世界だ


意識は
贋作が世界を描き
贋作がオリジナルを変えようともするのだから
傲慢であり
かつ
知恵者ということになる


モナ・リザのオリジナルは
ひとつだけれど
その複製画や写真が増えるに従い
その評判は膨れ上がり
世界に輝かしく蔓延しているのだ


見たこともないモナ・リザに憧れる


意識は
風を知覚に変えてゆく傲慢さにより
知恵者と変質してゆく反応の束である

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