ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

脱中心化:脱中心化による多様化


同じものが沢山あると
同じものをひとまとめにして
同じ名前を付けて
その名前で呼ぶことになっている


河原の石ころも
路傍の石ころも
みんな同じ「石ころ」だ


しかし
河原と路傍は
同じではないから
同じ石ころでも
河原の石ころと
路傍の石ころは違っている


言葉の世界は
同じと違うをうまく組み合わせ動き回っている


実体の世界はどうだろう?


実体の世界の同じはあるのだろうか?



赤いバラの花束には
同じバラたくさん集まっている


その花束からバラを開放して
それぞれのバラに名前を付けよう


そうすれば
みんな違うバラになり
それぞれのバラになる



雨が降っている


同じような雨が
昨日も降っていた


でも今日の方がすこし肌寒い


昨日の雨と
今日の雨


同じ雨でも違う雨



言葉に別の言葉を加えると
後から来た言葉の占める大きさの分
先にあった言葉の占める大きさが小さくなる


大きな言葉も
小さな言葉も
それぞれ一生懸命に意味を主張し合い
文章の中心をせめぎ合っている


せめぎあいの中で
中心がどんどん動いて行く



河原には
たくさんの石があって
それぞれ個性的な形をしている


だから
用途に応じて石を選べる


水切りに使う石は
平たくて手の中に上手く収まる形がいい


キャンプのかまどを作る石は
それより大きくて丸い方がいい


同じ石でも
選ばれたり
選ばれなかったりする


選ばれなかったら選ばれるまで待てばいい


選ばれちゃったら選ばれなくなるまで待てばいい


中心は動いているのだ
動かせるのだ


動き来るのを待てばいい
動き去るのを待てばいい


急ぐなら
いろいろ工夫をすればいい


工夫を重ねるのに疲れたら
元に戻ればそれでいい


そうやって
生命は進化してきた


これからもそうするしかないのだろう


生命は
ひとつの言葉だけれど
多様性に満ちている


たくさんの言葉が文章を彩るように
たくさんの工夫が
命に彩を添えている

×

非ログインユーザーとして返信する