道程の設え:自堕落
あの人のスマホにできることが
私のスマホにはできない
仮に
私のスマホに
その機能がついていたとしても
私はその機能を使いこなせるのだろうか
若いころ
8ビットのコンピュータをいじり
いたずらに
プログラム言語を覚えた
それなりに
時代の先端に佇んでいる気がしていたからなのだろう
コンピュータに手を出したがらない大人を
いぶかしく眺めていた
時代は移ろうもので
私も
いつの間にか
いぶかしく見られる方の側に佇んでいる
すでにIT難民になっているのかもしれないが
まだ取り残されぬ最低限の線は
維持できていいるつもりでいる
ということはである
恐らくは
すでに足はどっぷりと浸かり
向こう岸への道程を歩き始めているのだろう
若いころ
出来ないことを許せない自分がいた
そんな自分が弱くなってきた
心の衰えだ