生命と反応:必然は周辺に誘導されている
必然が
周辺に誘導されながらやってくる
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赤色は「赤」と表現されることは
必然的なことで
赤色を「黒」と表現してはならない
この必然性により
色の表現の正当性を付与しているのだが
この必然性は
良心や友人の教えにより
幼少期に獲得した必然性であり正当性である
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両手を
手のひらを見ながら眺めると
親指が両端に配置されている
右手の親指は右側に
左手の親指は左側にある
そして
手の甲を見ながら眺めると
右手の親指は左側に来て
左手の親指は右側に来る
こうした指の配置の必然性は
発生過程で周囲の組織から誘導され形成されたものである
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酵素反応による化学反応は
反応の主体は反応する基質であり
酵素自体はその主体の周辺に位置する
しかし化学反応の主役は酵素である
変化し動いてゆく化学物質と
大きく変わらずにその反応を見送る酵素が
生体反応を演出している
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環境が
生命進化を誘導している
人間もまた
自然災害等の環境に右往左往しながら
科学技術を進化させている
今よりも酸素濃度が低く
二酸化炭素濃度が高い地球ではなく
今の環境に適した科学技術を模索している
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必然は
周辺に誘導されている
だから
周辺に変化が生じると
必然にも変化が生じる
ある日突然
世間の目が変われば
私もその目に応じて変わらなければならぬのだろう
自己矛盾を
世間のせいにしながら
私は変わらなければならぬのだろう
柔軟に生きるという戦略だ
生まれた場所に馴染み
誘導されながら
どうとでもなれる
そんな柔軟に切られる能力を獲得してきた
人間の戦略である
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必然は
周辺に誘導されている
周囲に任せて生きてゆけばよい
ただ
それだけでは
変わりゆく周囲に裏切られても
泣く事しか出来ない
変わりゆく周囲を先読みしたくなる
そこに
求めるべき自由があるだろうか
そうなれば
ありふれた必然から脱出し
ありふれた日常から飛び出して
冒険がはじまる
まだ見えぬ未来への冒険である