ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

思考と実体:大乗仏教から小乗仏教への回心


排便とか排尿は
蔑まれているのではないだろうか
排便や排尿をするときには
人様の目を避けなければならないらしい


そんなことだから
日に数回
個室にこもり黙想することになる


集団から離れ
一人に戻る時である


周囲の人々にあわせて
自分を脚色していた疲れや嫌悪が
ため息とともに漏れたりする


このため息に
大乗仏教から小乗仏教への回心という実体が現れる


なぜ排便しなければならないのだろう?


なぜ排尿しなければならないだろう?


なぜため息をつかなければならないだろう?


私の意思により
片が付く問題ではない


だから
幾たびも黙想できる問題であり
黙想しなければどこか不完全に思えてならない


しかし
解る必要もない問題でもあるのだろう


雨は
上から下へ降り落ちなければならない
などと
不要なことなど考えもせず
万有引力の法則に従い
しとやかに
あるいは
激しく天から降り注ぐ


雨は
天のにとって
排尿であり排便であり
風は
天のため息であるのかもしれない


排便も排尿も
法則に従っているだけである


蔑まれる理由も
本当はないに違いない


ただ
蔑まれているから
蔑まなければならないだろう


そういう蔑みの法則があるらしい

思考と実体:朱に交われば赤くなる


本当は「こう思っている」けれど
「そう思う」と嘘をつくことがある


思考上の同調を演じるための嘘である


これができる子供が「良い子」と呼ばれ
これが出来な子供が「素直でない」と言われる


こうした環境に育つ子が
思考上の同調を実践することを覚え
そのスキルを向上させながら
大人に近づいていゆく


朱に交われば赤くなるのも
こうしたことが出来る人間の能力の帰結だろう


思考上の同調により維持されている世界において
この同調を強弁することは賛美されなければならず
否定されることは許されない


他の世界から見れば忌み嫌うべき悪事も
時として
賞賛されるべき善事となってしまう


「確かに悪いことだよね
 でも、、、
 普通じゃん」


政治資金の裏金も
芸能界の性加害も
制限速度で走っていると
「遅い」と言われてしまうような
同調圧力の中で熟成してきたのだろう


思春期の反抗期に
教師を馬鹿にして悪口を言うことが
仲間内では正義であり
先生を賛美するのは
仲間への裏切りだったりした


馬鹿にしたネタを
自分もしたりしているのだけれど
自分は堂々と棚に上げているから
その時はなんともないが
後から考えると空恐ろしい


悪事を非難し続けると
いずれ
自身をも攻撃することになる


厭世を気取っていても
やがて寂しさに打ちひしがれる


建前が本音を攻撃し
あるいは
本音が建前を攻撃するのである


朱に交わった赤は建前の赤である


そう割り切って
本音を擁護しなければ
精神を容易には維持できないだろう


だから
あまり赤くならないように
ほどほどに世を送るのがちょうどよい


これが
粋がった若者も
何時しかおとなしくなる道理なのだろう


なんともつまらないと言えば
つまらない話である


懲りるということがあり
本音と建前が静かに手を結ぶから仕方ない

思考と実体:実体淘汰による思考の洗練


太陽が
仮に
巨大なブラックホールだとしたら
光の進む向きは
逆転し
太陽から外側に向かうのではなく
太陽に向けて進むことになる


黒い太陽にむけて
光が進むことになるから
朝日が昇るとだんだん暗くなり
日が沈むとだんだん明るくなる


その明るさを
今の太陽のように一点からやってくるのではなく
太陽と逆側の天空一面からやってくることになる


だから
見えていない太陽の方向に影ができる


などと考えてみたけれど
光を吸収するほどのブラックホールが近くに在れば
地球なんぞはすぐに飲み込まれてしまうだろう


一酸化炭素があり
二酸化炭素はあるけれど
三酸化炭素はないらしい
四酸化炭素もないのだろう


思考は
実体よりも多様な可能性を指し示すことが出来る


それが時に夢になり
それが不正解や過ちの元となる


実体の許容する範囲に思考がとどまるのは
実体が思考を制する局面である


この局面により
思考は実体に淘汰選択されることになる


思考に対し実体が淘汰圧をかけているのである


こうして思考は洗練され
実体と同調する思考が生き残る


思考は生き物であり
実体は環境のようにふるまうところがあるようだ


自然により生命が洗練されてゆくように
実体により思考も洗練され進化を繰り返す